学院長挨拶

本学院は厚生労働省の機関として、その歴史の中で、社会のニーズに応じた新しい医療福祉職を創造するために、本邦初となる5学科を設置し、多くの人材を輩出してきました。この度は、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程を設置することにより、救急からリハビリテーションまでの看護ケアを高い水準で実施し得る認定看護師の養成に携わることになりました。専門職を養成することにおいて人後に落ちない学院の能力を十分に発揮して、満足の行く教育を提供致します。

沿革

日本看護協会は、(特定の看護分野において)熟練した看護技術と知識を用いた水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的に認定看護師制度を発足させました。
当センター学院では、日本看護協会より2010年10月に「脳卒中リハビリテーション看護」認定看護師教育機関として認定を受け、2011年10月から本教育課程を開講しました。研修期間は7ヶ月、定員20名です。教育課程カリキュラムは、共通科目、専門基礎科目、専門科目から構成され、その他に演習、実習があり合計645時間に設定されています。これは日本看護協会で基準とされているカリキュラムの内容であり、当教育課程ではセルフケア自立に向けた回復期でのケアに重点をおいた教育を展開しています。 実習は、脳卒中患者の発症から在宅で生活するまでの一連の過程を学ぶことができるよう、急性期実習、回復期実習に分けて行い、急性期実習は脳卒中センターやSCUで、回復期実習は、回復期リハビリテーション病棟、リハビリテーション病院で行っています。 さらに生活期の患者の生活を具体的に知り、急性期・回復期でのケアに活かすため訪問看護ステーションで見学研修も組み入れています。 教育課程修了後は、日本看護協会が実施する認定看護師認定審査の受験資格を得ることができます。

学院外観

教育理念

脳卒中リハビリテーション看護分野における、医療・福祉の総合的なリハビリテーションの提供にむけて、患者の健康維持・増進・自立生活、社会への参加など多様化するニーズに寄与するために、より水準の高い専門的知識と看護技術を有する認定看護師を育成します。

教育目標

「脳卒中リハビリテーション看護」分野において、熟練した看護技術と専門的知識を用いて水準の高い看護を実践することができ、それらを基盤として他の看護師への指導・相談を行うとともに、自らの実践力を自律的に向上することができる認定看護師を育成します。

特色

  • 日本看護協会で基準とされているカリキュラムの他に、食事動作や排泄障害などセルフケア自立に向けた回復期過程に重点を置いた教育内容の充実に努めています。
  • 当センター内には、学院の他、病院、研究所、障害者支援施設を設置し、医療から職業訓練までの一貫した体系のなかで先進的、総合的な保健・医療・福祉を提供している我が国唯一の国立機関です。
  • 教育課程の開講に当たり、当センターの他の部門から、幅広い専門職の協力体制が敷かれています。
  • 大学教授や、臨床現場で活躍する講師による講義と演習を行います。
  • 病院実習は急性期実習、回復期実習に分けて経過別実習を行い、特徴を捉えた看護を実践します。
  • 病院実習の前には訪問看護ステーションの研修において在宅で療養する脳卒中後遺症を持った方の生活期の看護活動に同行します。

修了後の進路

教育課程を修了した研修生は、脳卒中センターや脳神経外科病棟、回復期リハビリテーション病棟などの様々な現場でチーム医療における脳卒中ケアのリーダー的存在として活躍しています。