ヘルスキーパーの導入に係わる養成施設との打ち合わせ結果

 

協力依頼・開設時期

 

雇用側 : 先般○○公共職業安定所の指導官が来社し、「今年6月1日時点で1.48%以上をクリアできない場合は、行政指導や最終的手段として企業名の公表をする」とのことであり、従来から積極的に障害者の採用を行ってきたがヘルスキーパーの導入を含め実施しないと達成できない。したがって、○月を目途に導入を考えており、マッサージ室の開設とヘルスキーパーの人選などについて協力をお願いしたい。

養成施設: マッサージ室の開設に向けて、必要な手続きや装備すべき器具、利用方法、ヘルスキーパーの人選まで全面的に協力したい。特に、建物状況、設置場所の

選定、準備するに当たっての留意点などは、貴社を見させていただき助言したい。なお、ヘルスキーパーは三療(あん摩・鍼・灸)の国家資格を取るのに3年間がかか

り、3月に卒業するので、10月から開始することは、空白期間が長期化し好ましくない。良い人材を確保するためには、4〜6月を目途に開設した方が良いと思う。

 

2.ヘルスキーパーの処遇

 

雇用側 : 当面は契約社員で採用し、1年〜2年の状況を見て社員化することも考えたい。           

養成施設: 殆どの企業が同様である。企業によっては、永久的に契約社員や嘱託の場合もある。

 

3.情報提供

 

雇用側 : ヘルスキーパーの導入の成否は、本人の人柄・性格が大きく左右されると思われるが、複数名の紹介いただき、面接を行い人選したい。そのため、各自の情報を事

  前にいただきたい。また、導入に当たり全面的にご協力をいただ いていることから貴施設の卒業生を優先したいと考えている。面接の結果、当社にふさわしい人材

 がいない場合には貴施設から採用できない場合もあるが、その点でご了承してほしい。

 

4.受入に当たり留意事項

 

(1)設備関係

養成施設: エレベータ内の点字表示や廊下の点字ブロックなど、ヘルスキーパーの受入に必要なものは、どのようなものがあるか教えてほしい。

雇用側 : 全面的に協力したい。面接の結果、当施設卒業者にふさわしい人が見いだせない場合でも、かまわない。

養成施設: 建物階数、マッサージ室の階数、エレベータ内のボタンの付き具合、マッサージ室までの通路の分かりづらさなどによって異なる。したがって、事前に下見に伺い

  助言したい。

 

(2)ヘルスキーパー関係

 

雇用側 : 面接時に確認しておくべきことや聞いてはいけないことや、入社後の留意点は?

養成施設: 視力・視野などの障害状況を事前に伝えるが、その状況を踏まえ、通勤時間・経路、労働意欲などを聞いていた

だいて良い。ただし、健常者と同様に住環境、家族関係はプライバシー保護の観点から聞いてはならない。

 

5.必要設備

 

雇用側 : マッサージ室内に備え付ける必要がある設備について教えてほしい。パソコン以外ではどのようなものがあるか。

養成施設: 入社後のことだが、昼食などを定期的に一緒にするなど疎外感をいだかせないような配慮が必要である。

       ベッドのサイズは1,900×700oで電動式が望ましい。その他のマッサージ用の設備としては、温熱器具(ホツトパック、サンホット)、胸当て、シーツ、タオルケ

 ット、枕・枕カバー、事務机・椅子・施術者用丸椅子、消毒器具(手指消毒器:ミスト)、時計、かご・ワゴン、BGM

などがあり、カタログを差し上げるので参考にしてほしい。

 

6.利用条件・利用料金

 

雇用側 : 情報産業として職員の健康管理をはかるために、肩こり、腰痛、疲れ目などの疲労回復、ストレスの解消をねらいに

マッサージを行うもので、産業医の奨めや、上司の承認を得た者を対象にしたい。利用料としては、受益者負担の考え

から700円ぐらい徴収しようと考えているが。         

養成施設: 同一の者に偏らないためにも週1〜2回を限度とするなどの制限を設ける必要がある。また、健康管理の一環として行う場合でも、受益

者負担として利用料金を取ることは良いと思う。卒業生を30名程度送りだしたが、500円〜2,000円の範囲であり、700円は妥当と思

われる。

 

7.受診結果の管理

 

雇用側 : マッサージを受けた結果の管理や利用料金の管理などについて誰がどこまで行うか、他社の実態を教えてほしい。

養成施設: 同一の者に偏らないためにも週1〜2回を限度とするなどの制限を設ける必要がある。また、健康管理の一環として行う場合でも、受益者負担として利用料金を取ることは良いと思う。卒業生を30名程度送りだしたが、500円〜2,000円の範囲であり、700円は妥当と思われる。“ いつ、誰が受診したか ”のみで良いと思う。ヘルスキーパーによっては、“ 部位・症状 ”の記録を取っている人もいるし、音声入力パソコンで管理して

いる人もいる。

 

8.資格取得

 

雇用側 : 三療の資格は卒業すれば全員が自動的に取得できる仕組みになっているのか、うかがいたい。

養成施設: 当施設は3年間であん摩マッサージ指圧・鍼・灸の資格を取得できるよう指導しており、国家試験であり自動的には取得できる資格ではない。マッサージは、ほぼ8割合格するが、鍼・灸はセットで7割の合格率である。現在、ヘルスキーパー希望者は多く○名程度3月に卒業予定者がいる。