【シリーズ理療教育の科目紹介 Vol.13】
臨床医学総論
理療教育・就労支援部 理療教育課

 理療教育の専門、高等課程の2学年に週3時間配当される「臨床医学総論」は、言葉通り臨床医学全体をまとめた科目です。
 この科目は臨床医学の現場において、患者さんをどのように診察しているかを学習するかに、多くの時間を割いており、かつては「診察概論」という名称でした。
 もちろん、医師になるわけではないのですが、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師と言えども現代医学の知識は、医療従事者として必要です。  まず、医療面接(問診)、視診、打診、聴診、触診、測定(身体計測など)、バイタルサイン、神経系の検査、運動機能検査を学びます。患者さんへの態度や医療従事者としての心構えなどは、最初の医療面接(問診)でしっかりと学びます。
 次に、臨床検査法について学習します。ここでは一般検査や生化学検査について、尿・便・血液検査を中心に学んでいきます。例えば健康診断の結果にある血糖値とか、コレステロール値、肝機能検査などについての知識です。
 また、レントゲン検査やMRI検査などの画像診断の概要についても学びます。それから、血圧の測り方、反射検査、関節の可動域の検査などの実技も授業の中に取り入れています。また、私たちは、レントゲン検査などは出来ませんから、徒手による検査法を学び、肩こりとか腰痛を起こしている原因についてのおおよその目安が付けられるような技術も身に付けます。そして、薬物療法、食事療法、理学療法などの治療法についても学びます。この科目の最後には、臨床心理もあり、患者の心理、カウンセリング、心理療法についても学びます。
 現代医学についての知識が充分に備わっているということは、患者さんにとっても心強いこととなるでしょう。
 このようにあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師も現代医学についてもしっかりと学習しているのです。

文責:小泉 貴