栄養管理室 | 繁田文子 ・鶴見克則・内山久子 |
本調査は、入院患者の食事提供業務の充実を図ることを目的とする。平成9年9月25日及び平成10年9月24日の両日に殆ど同一の献立内容を調査した結果である。対象者は常食喫食者。対象病棟は9年度が4・5F、10年度が2・3F。調査方法は、患者が昼食を摂取終了直後に聞き取る。今回は、9年度及び10年度を対比した結果をまとめたので報告する。対象者数は、9年度28名、10年度33名であった。米飯、主菜、煮物、和え物の4料理品目について、出来栄え、量、味、温度、について各料理品目毎に調査し、全体の評価を加えた16項目の結果である。
次に10年度全体の評価について分析した結果、男女別、年齢別、在院期間別に比較すると、若年層(20才以下)に不満を持った者が目立った。個別に尋ねてた結果、入院前の食生活習慣に比べて量が少ないという不満等があった。また9年度と10年度の食事全体の評価では、食事に満足している者が、9年度21名(75%)、10年度27名(81.8%)であった。
嗜好調査の結果から患者の食生活習慣上、普段口にしない食品。又は香りの強い食材を敬遠する傾向が見られた。冬瓜の水晶煮や春菊のごま和え等は、柔らかい料理のため高齢者には好評であったが、若年層には春菊の香りが強くあまり好評ではなかった。今後これらの食材を関しては、検討しなければならない。食事の感想の中に、料理の表面が乾燥し、少々堅めになっている等の指摘があった。これは、配膳車の温蔵側を75℃に維持する関係上、表面が乾燥する。この問題に関しては、将来、食器に蓋をする等の改善の余地があると感じた。
終わりに、今回は、食事直後に回答を求める方法で、判定は容易であったが、聞き取り対象数が限られる欠点があった。今後の調査方法について検討する必要性を感じた。