糖尿病教育入院からDMCへの移行における病棟の取り組み

病院 看護部 4階病棟 今村奈緒子・佐藤和子・吉田尚子・三浦恵子・寺岡恵美子・田村玉美・長田しをり
病院 診療部 佐久間肇・牛山武久
更生訓練所 指導部 指導課 太田早苗・小坂瑞穂

1.はじめに

 当院では昭和59年より更生訓練所に入所する糖尿病の視覚障害者を対象に糖尿病自己管理方法の習得を目的として、糖尿病教育入院を実施してきた。近年個々の病状・管理状況は複雑になり、既存の画一的な教育システムを見直す必要が生じてきた。様々な病期の糖尿病を持つ入所生が安全に訓練を実施できるようにするため、教育システムを変更しDMコントロール入院(DMC)として今年度から施行することになった。当病棟において、DMCへの移行にあたり、個別性を重視し、個々が必要な治療・ケアを納得して入院生活を送るための取り組みについて報告する。

2.糖尿病教育入院からDMCへの移行の理由

@入院対象者は透析導入の必要な重度な患者を含む、様々な合併症を有する者が増えた。
→重度化への対応
A病状・病期が個々で異なっているため、一定の期間で、かつ画一的な内容で行っている既存のシステムでは個々が求めている教育・指導が充分に実施できなくなった。
→個別性の重視
B@、Aに伴う患者及び関係スタッフ間のコミュニケーション不足
→より充実したコミュニケーションの確立・情報の共有化

3.DMC受け入れに向けての病棟の取り組み

@看護の質の向上が求められている時期であり、糖尿病や視覚障害に関する共通問題やケア項目をふまえた標準看護計画の作成とチェックリストの見直し・新規作成
A視覚障害者の安全な治療環境を確保する為に、環境調整を強化した。

4.まとめ

@標準看護計画を予め作成することにより、患者一人一人の個別性を重視した計画立案にすぐに着手できた。
Aチェックリストの見直しと新規作成により、現状に即した評価ができた。
B環境調整の見直しにより、病棟の安全性が強化された。
C入院期間が限定されないことで、柔軟性のある看護が展開できた。また明確化された個々の課題に対し、継続的に関われるようミーティングでの情報共有を充実した。





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