盲聾者の織物訓練と家族支援の事例

職能部 秋山静江・小出千鶴子
指導部 河野智子

 今回、就労中に視覚障害が顕著となり退職した重度盲聾者に生活訓練後、織物の訓練を 実施し、在宅での織物の支援の方法を家族に指導したので報告する。
 触手話中心のコミュニケーションのため、織物訓練に必要な動詞・名詞・訓練指示等を オリジナル手話として作り、活用した。また、製作課題のパターン化により計算課題を省 略、ボディスケールを活用した寸法確認、直接的で解かり易い課題設定をする等に取り組 んだ。環境面では、集団訓練に配慮した危険認知の指導や協力関係を作った。
 家族に対しては、@継続した訓練状況の説明・訓練上の相談。A実際の訓練場面での技 術指導・支援方法の指導。(その内容をビデオ撮影し、自宅での手引きとし活用)B自宅で 体験実習を2回実施し、家族の支援方法を体験する機会とした。
結果、商品価値のある物が織れ、訓練意欲の喚起、技術の向上につながり修了とした。
 修了後9ヵ月が経過し収入に繋がっている、意欲的に継続できるように後指導を実施中 である。 




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