過疎高齢化地域を対象とした情報支援機器のコミュニティ実装手法の開発 福祉機器開発部 間宮いくこ 軽度認知症やMCI(認知機能の低下が見られる状態)では、脳神経細胞の大幅な減少等により、新しいことを記憶しにくくなったり、日付やスケジュールが分からなくなり、これまでのように自分で切りもりして、暮らすことが難しくなります。 当研究所では、このようなかたが、必要な情報を確認し、日々の暮らしを営めるよう、生活支援ロボットシステムを開発しました。 このロボットには、軽度認知症のある方に確実に情報を伝える技術が使われています。 このロボットの想定ユーザーは、認知症の重症度を総合的に評価するCDRに照らし合わせると、日常生活に支障のない「0」から、軽い物忘れがある「0.5」程度のかたです。 これらのかたの多くは、介護保険サービスや医療福祉専門職と接点がなく、発見されにくい状況にあります。 他方、過去の調査で、要介護未満の在宅高齢者の20%に認知機能低下が疑われ、近所の人との会話頻度や、外出頻度が少ないことが分かりました。 このロボットを使って高齢者へ声掛けを行うには、日ごろから本人を支えている住民や、家族、専門職の連携が必要です。 この研究では、過疎高齢化地域を事例として、現地の資源で高齢者を支える、生活支援ロボットシステムの地域運用モデルを開発しています。また、各地域の実情にあわせた運用ができるよう、住民参加型研究をもとにしたコミュニティ実装手法の開発を進めています。 関連する研究や、ロボット利用者の声は、ホームページでもご覧いただけます。