近年、高齢化や生活習慣病の増加に伴い、切断者も高齢かつ糖尿病などの合併症を抱えている難しいケースが増えています。また、平均寿命は長くなり、ライフスタイルや価値観は多様化し、義肢のパーツが進化していることなどから切断者のQOL向上への要望は高まり、このことからも義肢に求められるものは今まで以上に高度化・複雑化していると考えられます。 当研究部は切断と義肢に関する専門の研究組織として、そうしたニーズの把握とそれに応じた義肢やリハビリテーションを普及させるための調査や開発を行うことを使命としています。 当研究部の特徴は、研究所の一部門でありながら臨床設備を有していることです。これによって病院の1スタッフとして切断と義肢に関する臨床的な観点からの課題を発掘することができ、その中から研究テーマとして検証した成果を再び臨床の場面にフィードバックすることができます。 研究課題は現在大きく分けて5つの項目に区分されています。 例えば、臨床データに基づくデータベースの作成や義肢ソケットの適合に関連する因子の研究、より生活に密着した調査として切断者への大規模なアンケートなども実施しています。 また、切断部位や年齢別のリハアプローチの開発や、前例の少ない難症例に対するリハビリと義肢製作の経験についてもその成果をまとめ、情報発信に努めています。 実験や評価のための装置の開発なども行い、それらを用いた計測や臨床現場での活用も行っています。 近年は切断者からの要望が高まっている障害者スポーツに関する研究もおこなったり、調査に基づき国の政策に提言する研究課題などもあります。 このように当部では義肢に関連する幅広い研究課題に取り組んでいます。研究に関するお問い合わせはこちらの宛先までご連絡ください。ご視聴ありがとうございました。