センシング技術を使った電動車椅子安全走行に関する研究、福祉機器開発部の劉がご紹介させていただきます。電動車椅子は主に歩行補助の必要性が高い障害のある方や高齢者の日常的な移動手段として使われています。 こうした中で、運転者の身体能力低下また使用環境に関するリスクの認識不足を要因として、電動車椅子を使用中の死亡・重傷事故は増加する一方です。 電動車椅子に対するリスク低減の方策として、慣性計測装置(いわゆるIMUセンサ)による車椅子操作のモニタリングを行いますが、事故に至る可能性が高いユーザーの不注意や誤操作(例えば、意図しない発進)が判別できません。そこで、人による事故を防ぐことを目的として、車台にカメラを搭載することで、運転リスクの自動検知機能を有する安全走行支援システムを構築したいと考えております。ディープラーニングを用いて、撮られた画像から顔の位置を検出し、そしてフェイスマークを見つけ出し、顔向き角度を推定し、ユーザーの運転姿勢パラメータを取得します。それとIMUセンサが記録したユーザーの操作データを組み合わせ、動作意図を抽出し、運転リスクを自動的に検知します。今後は提案したシステムを電動車椅子に実装し、安全運転が誘導されることを定量的に検証したいと考えております。