義肢装具技術研究部を紹介するページです。 【画像】  義肢装具技術研究部のシンボルマークを左上に掲載しています。  義足の形をしています。 【ミッション(使命)】  義肢装具の製作及び適合のための技術に関する調査及び研究を行っています。 【研究方針】  義肢装具は、そのほとんどが一人一人の身体に合わせてオーダーメイドで製作・  適合(フィッティング)されています。臨床施設を有し臨床業務(義肢装具の製作  と適合)に従事する「義肢装具士」で構成される当部では、長年にわたる臨床経験  の中で得られた様々な知見や技術をデータとして集積し、義肢装具に関する幅広い  調査と研究を行っています。 【部の詳細説明】  義肢装具技術研究部には、3つのプロジェクトがあります。  各プロジェクト毎に説明します。 【義肢装具製作とリハビリテーション】  臨床業務を行う中で、患者や障害者のニーズの発掘や問題点の把握を行い、必要  とされる義肢装具の開発や製作技術向上へ繋げます。医療の進歩、また時代ごとの  ライフスタイルや価値観の変化に伴い義肢装具に求められるものも多様化し続ける  中、国の施設として一般の病院では対応が難しい特殊なニーズや希少症例への対応  も行っています。得られた成果は国内外の学術大会などで報告しています。  ■難症例・希少症例に対する義肢装具製作とリハビリテーション   【画像】左の写真は、義足製作のための身体の採型の様子です。       中央の写真は、両足が股離断という欠損の範囲が大きい症例の写真です。       右の写真は、残存する手足に骨折を合併する症例への対応を例示した写真       として、右足が義足で、残存する左足に骨折を合併するケースです。   【画像】左の写真は、水泳用義足部品の開発に関する写真です。       中央と右の写真は、先天的に欠損を有する小児への対応を例示した写真として、       義手を装着して作業をする様子を示しています。 【科学的根拠に基づく義肢装具の実現のための研究】  これまではその大部分が経験に基づいて行われていた義肢装具の適合状態の評価を  定量化し、科学的根拠に基づく義肢装具の設計と適合が行えるようになる未来を  目標に、国内でも他に例の少ない種々の先進的な実験と計測を行っています。  ■義肢の定量的な適合評価とインターフェース部分の設計のための実験  【画像】左と中央の画像は、切断者の義足での階段昇降動作を示した画像です。      右の画像は、義手操作時の筋電図の画像で、筋活動が分かります。  【画像】左の画像は、切断部位のMRI画像です。      中央の画像は、切断した手と残存する手とを撮影したサーモグラフィの画像です。      右の画像は義手装着時に多種センサを装着して身体計測している画像です。      これらの方法により身体計測のデータを蓄積しています。 【その他の調査及び研究と社会への発信】  義肢装具の使用の実態を明らかにする大規模な統計調査や、一般の方にとっても  理解しやすい義肢装具に関する資料の作成を行うなど、国内における義肢装具及び  その製作技術の普及のための積極的な情報収集・情報発信に努めています。  ■切断と義肢に関する実態調査や普及啓発のための情報発信   【画像】切断者の統計調査をしています。       下肢切断の原因と平均年齢の推移を示したグラフです。       1970年代は平均年齢が30歳未満でしたが、2000年以降は平均年齢が50代       となり、高年齢化してきていることが分かります。また、下肢切断の       原因は、1970年代は過半数が外傷の方でしたが、2000年代は過半数が疾病       の方となり、年齢構成とともに下肢切断の原因も変わってきています。   【画像】義肢を初めて使用する入院患者と関係者に向けたパンフレットを作成し、       情報発信しています。パンフレットは2種類あり、「はじめての義手」と       「はじめての義足」があります。