脳機能系障害研究部を紹介するページです。 【画像】  脳機能系障害研究部のシンボルマークを左上に掲載しています。  人の脳をイメージした画像です。 【ミッション(使命)】  脳機能系障害がある者のリハビリテーションに必要な研究をしています。 【研究方針】  当研究部は、高次脳機能障害、失語症、発達障害を含む脳機能系障害全般に  わたる領域を研究対象とする部門であり、脳機能の障害を原因とする障害者の  リハビリテーションに必要な研究をなす事を使命としています。 【部の詳細説明】  脳機能系障害研究部には、3つのプロジェクトがあります。  各プロジェクト毎に説明します。 【システム脳神経科学プロジェクト】  脳神経疾患に伴い脳機能を失うことが患者さん、ご家族、社会に与える影響を、  科学的に低減させることを目標とします。この目標のために、未だ解明されて  いない部分が多い脳機能をシステム脳神経科学の視点から理解し、その知見を  もとに、新たな脳機能の客観的評価手段、および新たなリハビリテーション法を  確立することを目指したいと考えています。  ■「ニューロフィードバック」による認知リハビリテーション   【画像】脳をMEG(脳磁図)又はMRI(核磁気共鳴画像)で計測し、計測した       信号からノイズを除去した後、機械学習を用いて判別することで、       信号を解析します。得られた解析結果から視覚および聴覚にフィード       バックを行うことで、脳内ネットワークの調整や脳機能・認知機能を       向上させるというサイクルを示しています。   【説明】●MRI・脳磁図などで計測した脳活動を被験者にリアルタイムで提示し、        自ら脳活動を調節させることによって、認知神経過程を自律的に制御        できるようにするバイオフィードバック技術       ●注意・遂行機能・環境認知などの認知行動機能に関して、臨床的に        有効な脳機能障害への介入技術を開発  ■ブレイン−マシン・インターフェース(BMI)実用化研究   【画像】LEDフリッカーによる視覚刺激によって発生した脳活動を脳波計と       コンピュータを用いることで、コミュニケーションをしたり、       家電を操作(カーテンの開閉、テレビの操作および照明のオン/オフなど)       したりすることを示したフローを図で示しています。   【説明】●脳信号を用いて機械を操作する技術であるブレイン−マシン・インター        フェース(BMI)の研究開発       ●脳波を利用したBMIにより、身体を動かすことなく電化製品を操作する        ことができる       ●ワープロやメールによるコミュニケーション、アシストスーツを        利用した運動も可能 【高次脳機能障害研究プロジェクト】  病気や事故による脳損傷によって記憶、注意、思考、言語、数の操作、感情の  コントロールなどの認知機能に障害が起きた状態を、高次脳機能障害といいます。  当研究室の使命は高次脳機能障害のためのリハビリテーション手法を開発すること  です。我々は特に言語機能の障害を中心に研究を行っています。具体的には機能的  磁気共鳴画像法(functional MRI),経頭蓋磁気刺激(TMS),脳波(EEG)などを  使った認知神経科学的研究と支援機器の開発をしています。  【画像】高次脳機能障害でよく見られる複数の認知機能の同時障害の神経基盤を      捉え、有効なリハビリテーション法を開発する      矢印 認知機能間の共通性・相互作用を認知神経科学的に解明し、高次         脳機能障害のための効率的なリハビリ技法を開発する      認知機能間の相互作用・共通基盤の解明      矢印 fMRI、MEG、EEG、TMSなどを使った認知神経科学実験      矢印 高次脳機能障害の為の新しい概念を樹(た)てる      言語、社会性、記憶、遂行能力、注意及び情動は相互に関係しますが、      本プロジェクトでは、特に言語と社会性の相互作用に注目しています。 【発達障害についての研究プロジェクト】  自閉スペクトラム症など発達障害の方では、社会性・コミュニケーションの障害  以前に様々な感覚や運動の問題が生じます。これらが発達障害の方が感じる  「生きにくさ」の原因と考えられます。私たちの研究室では、様々な感覚・運動特性と  「生きにくさ」の原因を解明するための研究を行っています。さらに、これらの  研究成果を、発達支援手法の開発に活用し、障害に起因した「生きにくさ」の  解消を目指します。  【画像】【タイトル】認知神経科学的な研究を通じて「生きにくさ」を見える化して            支援につなげる      研究手法として障害モデルマウスの解析によるミクロの視点と、      発達障害者の感覚・認知特性の解明によるマクロの視点とに分け、      これら基礎研究の成果に基づく新たな支援手法を開発することで、      「生きにくさ」の原因解明とその軽減を目指しています。      障害モデルマウスの解析と発達障害者の感覚・認知特性の解明では、共通する      身体や感覚の問題を取り扱っています。      障害モデルマウスの解析では、身体所有感に関するマウスの行動実験と      蛍光イメージングを用いた組織標本の解析を行うことで、遺伝子・神経回路      レベルでの特性を評価しています。      一方、発達障害者の感覚・認知特性の解明では、当事者参加型の心理実験・      脳機能計測を行うことで、感覚の問題、運動の困難及び身体の問題という      「生きにくさ」を生じさせる認知神経基盤の解明を目指しています。      障害モデルマウスの解析と発達障害者の感覚・認知特性の解明で得られた      結果に基づいて、顔の表情認知困難の解明とその支援や、選択的聴取困難の      解明と支援を行うことで、個人の困難に合わせた支援機器・手法を開発して      います。