障害児者とその家族に配慮した住環境整備に関する研究 障害工学部の植田瑞昌《うえだみずよ》が紹介します。専門領域は建築学になります。 住環境整備とは、高齢者や障害のある人の自立を維持促進し、また介助負担を軽減するために、手すりを設置したり段差を解消するなど住まいを整えることです。住環境整備には福祉用具の活用は不可欠です。とくに障害のある子どもの場合は幼いころから適切な時期に適切な環境を整えることで成長と発達を促します。 日常生活のなかでも、排泄は生理現象であると同時に、(尿便意を)伝えることや(トイレへ)移動すること、(着脱衣などの一連の行為を)理解することなどたくさんの感覚・運動・学習機能を必要とします。重度の障害のあるお子さんはその多くに介助を必要とするため、 幼いころから排泄環境を整えていくことはこれらの機能を育むうえでも重要となります。 そこで、障害児のための自宅内排泄環境整備に関する家族向けアセスメントツールの開発をおこなっています。開発のために、障害のあるお子さんのご自宅に訪問し、排泄状況や排泄環境について調べました。今回は、アセスメントツール開発に関するアンケート調査を行いましたので一部ご報告します。 アンケート調査は昨年10月から12月に行い、21人の方にご協力いただきました。 その結果 ・お子さんの排泄に関して成長への不安があるまたはあった人が61.9%、 ・排泄環境を整えるための将来的な予測ができたほうが良い思っている人が76.2%でした。 ・また、お子さんの成長や発達にあわせて、排泄環境等の対応が知りたい、または知りたかった人は80.9%となりました。 現在、成長と発達に合わせて、どのような時期に、どのような排泄環境が考えられるのか、その工夫や技術的な方法をわかりやすくお伝えできるものを検討しています。 引き続き、障害のあるお子さんとその家族に配慮した排泄環境整備について、情報を発信していきたいと思います。