障害福祉研究部を紹介するページです。 【画像】  障害福祉研究部のシンボルマークを左上に掲載しています。  ハートの形をしています。 【ミッション(使命)】  補装具の価格制度、障害者の自立・社会参加支援や支援者の育成および  ICTなどの活用方法など、政策の基礎となる科学的根拠とデータの蓄積や  支援方法の研究を進めています。 【研究方針】  主に障害者を取り巻く制度や周囲との関係、障害者個人の認知機能・スキルなどに  かかる問題などについて、社会科学・行動科学・情報科学を交えた心理社会的な  手法などによる解決法を探求・構築する研究を通じて、障害者の自立と社会参加の  さらなる支援に努めます。 【部の詳細説明】  障害福祉研究部には、3つのプロジェクトがあります。  各プロジェクト毎に説明します。 【補装具の価格についてのプロジェクト】  補装具費支給基準に定められた補装具の価格についての研究を行っています。  ■研究の背景   原則、補装具の価格のうち9割は公費を補装具費として支給。1割は自己負担です。   ただし所得に応じ、自己負担に上限が設定されています。   安定して補装具の供給を続けるには、価格設定が重要です。価格が、高すぎると、   公費・自己の負担が過大になります。低すぎると、供給事業者の採算が取れない   ことになります。   補装具の価格は、原則として、厚生労働省による公定価格によっています。   これを、どのように決めるかが問題です。   【画像】補装具対象種目に関する画像です。       義肢、装具、座位保持装置、視覚障害者用安全つえ、義眼、補聴器、       車椅子、座位保持椅子、重度障害者用意思伝達装置の画像があります。       また、眼鏡、人工内耳(人工内耳用音声信号処理装置の修理のみ)、       電動車椅子、起立保持具、歩行器、頭部保持具、排便補助具、       歩行補助つえの計17種目が対象です。  ■研究の内容   研究では、補装具の    ・ 価格の根拠となるデータの調査    ・ 機能・仕様に関する調査・情報収集   などをおこなっています。一部、共同研究者の担当分を含みます。   価格の根拠となるデータの調査では、供給事業者などを対象に価格根拠調査を   おこなっています。義肢・装具・座位保持装置については、価格の構成要素で   ある作業人件費と素材費など、その他の種目については、用具の制度外での販売   価格などについて、調査方法の開発と実施をおこなってきました。   機能・仕様に関する調査・情報収集では、適切な価格設定を行う前提となる、   基準の補装具の(ものとしての)機能・仕様を明確化するよう検討します。   そのほか、現行の形の公定価格制度に代わりうる価格制度の検討などをおこなっ   ています。 【障害に配慮した衣料についてのプロジェクト】  ■障害に配慮した衣料の必要性   障害者の社会参加の促進のため、障害に配慮した衣料の研究に取り組んでいます。   障害があると体型の変化や運動機能の低下、感覚過敏などがあり、障害に配慮   した衣料が必要です。また、そのような衣料は、機能性に加え、着る人の好みに   合ったものであることが大切です。  ■障害者の衣料の課題の普及・啓発のための国リハコレクション   当センターでは研究所、病院、自立支援局、外部の衣料制作の専門家などと連携   して、障害者の衣料の課題を多くの人に知ってもらうための取組である「国リハ   コレクション」を行っており、当部はこの取組に研究の立場から協力しています。   この「国リハコレクション」では、障害者のニーズや好みにあった衣料を開発   したり、開発した衣料を障害者が着るファッションショーや、衣生活など関連の   情報提供を目的とした展示などを行っています。  ■障害者の衣料の研究   障害者が衣料について困っていることや衣料の入手の現状、「国リハコレクション」   の効果を検証することを目的としてアンケート調査を行っています。ある年の調査   (ショーの観覧者のうち障害者を対象)では、衣料に困っている障害者は調査対象者   の約40%で、困っている内容で最も多かったのはズボンのこと、具体的には脱ぎ着の   しやすさ、排尿、義足で着る衣料などに困っていました。次に、調査対象者のうち   「国リハコレクション」が参考になったと答えた人は約56%でした。参考になった   内容で最も多かったのは、脱ぎ着の工夫についてでした。  【画像】赤い電動車椅子用レインパーカーとケープを、車椅子に座ったマネキンが着た      写真です。  【画像】義肢装着者用ジーンズを着たマネキンの写真です。 【ニーズに基づく効果的な障害者支援研究についてのプロジェクト】  障害者の自立・社会参加を進めるため、当事者のニーズや困りごと、また現状の  制度や支援の課題の実態を研究で明らかにした上で、その解決のための方策の提言  や、より効果的な支援の開発、検証を他機関や関係者と共同で進めています。  ■リハビリテーションのための制度、支援方法、普及・啓発の研究   ●自立・社会参加のための制度・政策について国際比較研究を行い、効果的な    あり方を研究しています。   ●精神障害や発達障害の認知機能の特徴をふまえた、効果的な支援方法のあり方を    研究しています。   ●支援者の育成のための研修プログラムの開発や実施、障害者が支援の利用を    検討する時に使える教材の開発などを行っています。  ■ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術の活用可能性の研究   ●支援の質の向上や、そのための支援業務の合理化・効率化を目的として、    障害支援におけるICT・AI・支援機器の活用についての実態把握や活用可能性の    検討、支援方法の開発を研究しています。   ●インタビューや自由記述回答といった質的データの新しい分析方法や活用を    研究しています。