「見え方」に問題を抱える方と介護保険サービス(読み原稿) 障害福祉部 齋藤崇志 スライド1: タイトルは、「「見え方」に問題を抱える方と介護保険サービス」です。 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 齋藤崇志が発表いたします。 スライド2: 眼の問題を抱える方の中で、介護保険サービスを利用する方は少なくありません。 介護保険サービスは、ヘルパーや看護師といった医療や介護を専門的に学んだ専門職員に よって提供されます。 しかし、実際に介護サービスを利用する高齢の視覚障害者の中から、 「視覚障害に配慮されておらず、サービス内容が不適切である」との意見があがっていま す。 この研究では、 医療介護の専門家によって行われているはずの介護サービスが、 なぜ、高齢の視覚障害者にとって不適切と言われてしまうのか? その背景を調べてみました。 スライド3: 調べる方法は、 介護保険サービスに関わっている介護福祉士やケアマネジャー6名、 実際に介護保険サービスを利用している高齢の視覚障害者4名、 合計10名の方に対して、介護サービスの利用に関する経験談をインタビューし、 その内容を分析しました。 スライド4: 経験談を分析した結果、 高齢の視覚障害者が介護サービスが不適切だと感じることの背景には、 大きく分けて、2つの理由があることがわかりました。 一つ目は、関わるヘルパーさんや看護師さん個人個人の問題であり、 眼の病気や障害に関する正しい知識や対応方法を知らない実態があることがわかりました。 また、ヘルパーさんや看護師さんは、眼の症状以外にも、様々な症状に対応する必要があ り、眼の問題が疎かにされている傾向も認められました。 一方、眼の専門家である眼科医等が介護保険サービスに積極的に関わっているわけではな い実態や、 そもそも、介護保険や、障害者に関連する法律である「総合支援法」といった制度が分か りにくいといった、 社会全体で解決していかなくてはならない課題も明らかになりました。 これら背景が相互に関連した結果、 眼の問題を抱える高齢者にとって、介護保険サービスが不適切なものになっている可能性 が考えられました。 これらの課題を解決していくことが今後必要になります。 以上で発表を終わります。