障害福祉研究部のせい野です。 障害のある人と新型コロナウイルスについての研究の成果を紹介します。 私たちは、障害者に必要な取組を効果的に行うことの一助とするために、障害者とコロナについて文献調査や分析をしています。今回はその成果の一部を紹介します。 障害者への影響です。ある調査では、必要な医療・福祉のサービスを利用しづらい/できない障害者が24.7%いました。さらに、別の調査では、障害児と親のメンタルヘルスが悪化していることが報告されていました。 次に福祉サービスへの影響として、複数の調査で、福祉サービスは、全般的に報酬や収入等の減少、事業所の稼働率や利用率の減少が見られました。また、ある調査では、施設で職員の業務負担が増加していることが報告されていました。 ここからは様々な機関が行なった調査で示されている課題と対応例を整理したものを紹介します。複数の障害に共通する課題として、医療、福祉サービスが利用しづらい/できないことがありました。これに対して訪問や電話、オンラインでの支援が考えられます。 次に、たとえば聴覚障害では、手話通訳・字幕が不十分という課題がありました。これに対して遠隔手話サービスの利用・字幕をつける等の対応が考えられます。 たとえば視覚障害では、物を触って確認することが多い・触らないとわからないという課題があります。これに対して、除菌する、「触る」かわりに言葉による説明が対応例としてありました。 たとえば発達障害では、ネット通販で買い物しすぎてしまうという課題があり、生活支援、金銭管理という対応が考えられます。