頚髄損傷とは?

人には、脊椎と呼ばれる背骨があります。その中には、脊髄と呼ばれる筋肉や感覚を司る神経が通っています。
それは、頚髄・胸髄・腰髄・仙髄に分けられます。
頚髄は、首の部分に存在し、手指や腕を司る神経です。胸髄や腰髄は胸から下の部分を司る神経です。これらの脊髄が損傷されると首から下の筋肉が麻痺したり、感覚を失ったりします。
損傷を受けた脊髄の場所によって障害の状態が違います。
主に、頚髄を損傷された人は、手・足・体に障害がおこり、四肢麻痺と呼ばれます。
頚髄のどこを損傷したかによっても障害の状態が異なります。
上のほう(脳に近い方)に近くなるほど障害は重くなります。
その他に、自律神経障害といって、汗が出ないために体温調整ができず、暑さ・寒さに非常に弱かったり、血流の調節がうまく出来ず貧血(起立性低血圧)を起こしやすかったりします。
排泄機能にも障害が起こり、通常通りに行うことができません。頚髄は、首の部分に存在し、手指や腕を司る神経です。
胸髄や腰髄は胸から下の部分を司る神経です。これらの脊髄が損傷されると首から下の筋肉が麻痺したり、感覚を失ったりします。
また、痙性といって、麻痺している筋肉が自分の意思にかかわらず、勝手に動いたり、感覚がないために、皮膚の痛みが分からず怪我をしやすかったりします。
そこで、問題になってくるのが、床ずれと言われるものの発生です。これが、できてしまうと治療するために、ベッド上で生活を余儀なくされる場合があります。
一番注意しなければならない問題です。
先述したような障害を呈したものを頚髄損傷と呼びます。
前述したように、頚髄のどこが損傷されたのかによって、状態が異なることを説明します。
第4頚髄節が残存している人:肩をすくめる以外の運動はほとんどできず、食事や歯磨きなどの身の回りのこともできません。
ただし、移動に関して肩や顎の動きを使って、特殊な車椅子の操作は可能となります。また、特殊な環境制御装置といわれる機器を使って、電話やテレビやラジオ・ベッドのリモコン操作も一人で可能になります。
第5頚髄節が残存している人:力は強くはないが、肩・肘を曲げることができます。したがって、手に固定する道具(自助具)を用いて食事や書字をすることが可能になります。
移動は、平坦路であれば手動式の車椅子で可能ですが、一般のスロープは上がるのが困難な人もいるので、電動車椅子との併用も考えられます。
第6頚髄節が残存している人:肩・肘を曲げることと、手首を背屈することが可能になってきます。大部分の人が、身の回りのことが可能になる可能性があります。
食事・整容・更衣・環境が整った中での排便・入浴・自動車運転などが可能となってきます。
 しかし、これらの動作が、可能になるためには、それなりの体力と訓練が必要です。また、環境調整も重要なポイントになってきます
第7頚髄節が残存している人:肘を伸ばすこと・指を伸ばすことも可能になってきます。
全体的に残っている筋肉の力も強く、若干の環境設定は必要ですが、日常生活動作をほとんど一人で行えるようになります。
*当センターのツインバスケットボールクラブ(NBC)に在籍している選手たちは、前述した障害の状態を呈しています。しかし、ツインバスケットボールの参加選手は、四肢麻痺であることが条件なので他の障害の方も参加できます。