子どもにとって幼児期は、家庭以外の同年齢集団とかかわりをもったり、家庭以外の集団のルールを初めて経験する時期です。親にとっても親同士や、医師、保健師、教師や保育士などの専門家や支援者と出会い、関係を築いていく時期でもあります。
また、多くの親にとってこの時期は、子どもの診断を受ける時期でもあります。子どもの診断を受けた直後の親の心理は強い不安の中におかれ、子どもの障害に対しての理解や受け入れが困難な場合もあります。さらに、運動やことばの発達には顕著な遅れがみられない発達障害の場合は、親自身も障害特性に気づきにくく、周囲からもさまざまな誤解を受けることが起こりやすくなります。このことが本人や親に大きな心理的な傷を残してしまうこともあります。
たとえば「こだわり」や過敏性については「わがまま」とされ、幼稚園や保育所などから親の躾(しつけ)が悪いせいだと誤解されることもあります。また社会性や対人関係の困難については、親や先生など大人は子どもに合わせるため本人の困難さがめだたない一方で、同年齢集団の中では対人関係の困難さがめだつ場合があります。このような場合は、家庭と園での子どものようすが異なってとらえられるため、親が幼稚園や保育所に不信感を持つようになることもあります。