幼児期の子どもに発達障害の可能性がある場合、社会性が芽生えるその時期に、発達段階に合った適切な養育環境を整えることが大切です。確定診断ができない場合も、子どもの発達の特徴(とくちょう)を親に伝えることで、子育てを応援し、子どもにとってより過ごしやすい生活環境を整えることが可能になります。発達の特徴を親に伝えることは、子どもに否定的な刻印を押すことではなく、よりよい成長を促す親子支援の出発点をつくることになるのです。
これまで、親が子どもの問題点に気づいても、専門家による評価を知るまでに時間がかかることが多くありました。この期間は「不安の高まる非常につらい時期であった」という親の声も聞かれています。子どもの発達について心配がある場合、多くの親が「自分の子育てに問題があったのではないか」と自責感や無力感に悩むことがあります。また、子どもの特徴を「わがまま」などととらえ、厳しい躾(しつけ)へと向かうことで、虐待につながる問題や、それによる苦痛を子どもが抱える可能性が生じます。
子どもの発達の特徴を伝えることで、親の不安を軽減し、「親の育て方の問題」、「子どものわがまま」という解釈を修正することになります。そして、子どもへのよりよい理解と、より適切な子育て方法を助言することが可能になります。こうすることで、子育てをする親への実践的な支援に結びつくことでしょう。