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発達障害に気づく


 保健・医療分野の専門家は、どのような機会に、どのような点から発達障害に気づくのでしょうか。また、気づいたときにはどんな対応があるのでしょうか。ここでは、そのポイントをご紹介します。
 

FAQ

 

 
Q1.
 1歳6ヵ月健診で、広汎性発達障害の可能性があった場合、将来、どのようになるのですか? 家族には、どんなふうに説明したらいいのでしょうか?

A1.
 広汎性発達障害の早期支援の長期的な成果についての研究は、まだ始まったばかりです。1歳の時の評価で予言じみたことを言うのは慎まないといけませんし、以前の教科書のように「自閉症は治らない」と強調しすぎる必要もなくなりました。早期に発見できたことを肯定的に受け止められるように手助けしましょう。
 この時点で、確実に診断することは必ずしも容易ではありませんが、広汎性発達障害でなかったとしても、行動の特徴を多少なりとももち続ける可能性が高いでしょう。行動の特徴を子どもの特性の一つとして理解していただくのは望ましいことです。
 子どものニーズがひとりひとり異なるように、保護者の子育てについての思いはひとりひとり異なり、ニーズも違ってきます。子どもの特徴を的確に理解すれば、子どもがどういう場面で、どのように感じ、どのようにふるまうのか予測しやすくなるので、保護者が子どもにかかわる余裕が生まれます。子どものニーズにうまくこたえてあげられる経験が増えていくと、保護者にとって毎日の子育てがより楽しくなり、子どもにとっても家庭はより安心して生活できる環境になっていきます。そして、これらの積み重ねが子どもの将来に繋がる第一歩となります。小さな一歩であっても、これから先にある長い人生において貴重な基礎となるでしょう。詳細は、「親に発達障害の診断を伝える」のページをご参照ください
 
Q2.
 2歳で、対人反応や自発的な対人行動が少なく、言語理解はよいのに、あまり話さず、ひとりで字を書いたり本を見たりしている方が好きな子どもは、将来、アスペルガー症候群になるのでしょうか?

A2.
 2歳で、対人相互作用、コミュニケーション、反復常同的パターンの領域に相当する行動が一定以上みられた場合、広汎性発達障害の診断が可能です。ただし、年齢とともに、これらの行動の程度は変化します。低年齢では明らかでなくても、後にはっきりと分かるようになる特徴もあります。また、逆の場合もあります。
 こうした発達経過には、子どもの要因だけでなく、さまざまな環境の影響があります。自閉症で特徴的とされる行動(ここでは自閉症的行動とよぶことにします)が全般的に改善する場合もあれば、自閉症的行動の一部がよりめだってくる場合もあります。必ず、成長過程に合わせて発達検査などを行い、そのときの子どもの状態を的確に把握するように努めてください。
 また、自閉症的行動の程度がそのまま、将来の社会適応やQOL(生活の質)に結びつくわけではありません。子どもの症状だけでなく、全体的な生活のバランスや情緒の安定に十分な配慮をすることが大切です。
 

コラム:自閉症スペクトラムの早期発見・早期支援とは

現状の問題点
 ことばや全般的な発達の遅れが明らかでない場合には、1歳6ヵ月健診、さらに3歳児健診でも自閉症スペクトラムの子どもたちが的確に把握されず見逃されている場合が少なくありません。
 自閉症的症状は人とのかかわりが要求される集団場面でなければ明らかになりにくいので、少子化にともなう核家族では、日常の大きな問題が露見しにくいという背景もあります。後に幼稚園や小学校などの集団に入ったとき、子どもに混乱と大きなストレスをもたらし、行動の問題が明らかになる場合があります。また、その慢性ストレスが何年も続くと心と行動にひずみが生じるケースもあるので、早期の対応が重要なのです。

早期発見・早期支援がなぜ大切か
 早期発見・早期支援には、次の4つのポイントがあります。
  • コミュニケーションの発達を促進します。   
  • 家族のメンタルヘルスが向上します。   
  • 子どもが必要とするニーズが気づかれやすくなり、子どもが安心して暮らせます。   
  • 健全な自己理解の育ちに役立ちます。
 ひとりひとりの子どもの評価をていねいに行い、個別のニーズがわかれば、療育的に望ましい支援を行うことができ、子どものコミュニケーション面の発達は促進されます。親子のコミュニケーションがスムーズになると、親の育児ストレスは軽減し、自信をもってかかわることができるようになります。きょうだいも含めた家族のメンタルヘルスへのよい影響が期待されます。本人にとっては、肯定的な方向で成長すると、健全な自己肯定感につながり、長期的には、本人の自己理解に役立ちます。
 このように、親はもちろんのこと、子どもとかかわる周囲の人々の理解がすすむことで、子どもが必要とするニーズに敏感となり、適切に応えられる機会が増えます。それは、子どもが安心して成長できる環境をつくることにつながるのです。

健診で使用可能なチェックリスト
 集団健診では、受診児数が多く、ひとりあたりの時間の制約が大きいため、日常生活をよく知っている親に記入してもらう質問紙をもとに、子どもの行動特徴を把握するという方法が最も適切で効率的です。保健師に時間の余裕と一定程度の訓練があれば、子どもの直接観察を並行すると、さらに信頼できるものとなります。個別健診では、これらのチェックリストを手がかりに、子どもの行動観察をおこなうと、親からの聞き取りがおこないやすくなるでしょう。

 1歳台の幼児を対象とする第1次スクリーニング用(一般の子ども用)に開発されている自閉症の行動チェックリストのうち、その妥当性が検証されているものとして、CHATとM-CHATがあります。早期発見の質問紙をふくむスクリーニングは、単独で自閉症スペクトラム児を発見するための道具ではありません。複数回行うことで、子どもの社会的発達を丁寧にみることができ、見逃しが減るでしょう。
  • CHAT(Checklist for Autism in Toddlers、乳幼児期自閉症チェックリスト、チャット)
    Baron-Cohenらによって考案されたスクリーニング尺度です。1歳半までに共同注意と見立て遊びができない子どもは、その後自閉症の診断を受けるリスクが高いという仮説に基づいています。   
  • M-CHAT(Modified Checklist for Autism in Toddlers、エムチャット)
    米国でRobinsらがCHATに修正を加え発展させたものです。M-CHATは、CHATの親質問項目に新たに14項目を追加した全23項目からなり、各項目に対して、はい・いいえで答える親記入式の質問紙です。

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