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センターだより第48号(平成30年3月発行)ウェブ版 もくじ

目指すは二刀流!? 卒業生インタビュー
ハイペースからマイペースへ
センター生活、音楽への影響は…?
夢を叶えるために…
利用者募集案内
センター見学のご案内

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1.目指すは二刀流!? 卒業生インタビュー

今回のセンターだよりは、卒業生にお話を伺いました。この春、当センターのあん摩マッサージ指圧・はり・きゅう科を卒業された山内憲介(やまうちけんすけ)さんです。
山内さんは、sleepy.ab(スリーピー)という北海道在住のバンドでギターを担当されています。
バンド活動も休止することなく、普段はセンターで勉強、週末や長期休暇でバンド活動という状態で、3年間を送られました。
いったい、どんな3年間だったのでしょうか?

2.ハイペースからマイペースへ

画像:インタビューを受ける山内さん(1)インタビューを受ける山内さん

インタビュアー(以後「イ」):バンド活動と勉強と、大変な3年間だったのでは…。いかがでしたか?

山内(以後「山」):自分では、大変とは感じませんでした。むしろ、規則正しいスケジュールのおかげで、体調が良くなったくらいです。
函館での3年間は、自分のペースで過ごせたように思います。

イ:なるほど。ただ、バンドの活動としては、ペースダウンの状態になったわけですよね?

山:はい、そうです。予定していたCDの発売を延期させてもらったりして…。

イ:そうなると、メンバーやスタッフなど、周囲の方は、何かおっしゃったのでは?

山:いえ、皆、本当に応援してくれました。
札幌でのバンド生活では、寝る時間を削ってまでアレンジの作業をしてしまったり、体調管理の面でとても悩んでいたので、環境を変えたい気持ちが強くなっていました。かなり無理をしていたと思います。
もともと、鍼などのいわゆる「癒やし」系に興味があった事から、函館行きを決心したのですが、もちろん、自分の代わりに誰かサポートで他の人を入れるという道もあったと思います。
でも皆、そのままでと言ってくれました。

イ:山内さんがバンドから抜けるのは、あり得なかったんですね。

3.センター生活、音楽への影響は…?

イ:仕事のペースが変わった他に、何か影響はありましたか?

山:キチキチの状態で作っていた時と今とで曲が変わったと思います。スリーピーは、ゆったりした曲調が多いのですが、今、以前の音を聞くと、自分の「ゆったりさせよう」という意識を感じる事があって…。
最近の曲は、そんな事は無いと思います。このセンターは自分にとって、とても環境が良かった。良い出会いもたくさんありました。
人生の先輩というか、すげェな!と思う人たちに出会えましたし、雰囲気も、のんびりとして…でも、それに慣れてしまうと、現場での慌ただしさとのギャップは大きかったですけれど。

障害者週間記念行事に、ユニット「成山内」が出演!
画像:障害者週間記念行事の「成山内」のステージ(2)障害者週間記念行事の「成山内」のステージ

イ:先日、当センターの「障害者週間記念行事」で、スリーピーのボーカルの成山さんとのユニット、「成山内(なりやまうち)」で出演されましたね。
成山さんは何かおっしゃっていましたか?

山:「生徒も職員も温かい感じだね」と言っていました。この3月に、自分の卒業記念で函館でライブをやろうか?なんて言ってくれています。
まだどうなるかわかりませんが、決まったらツイッターなどでお知らせします。

函館視力障害センターに来たおかげで、出会えた人もいます。

イ:ところで、山内さんは函館のご出身ですが、以前からセンターをご存じだったのですか?

山:いえ、湯川方面にはほとんど来る事がなかったし、全く知りませんでした。
視力に障害がある自分に、バンド以外で何かできるのかな…と、ネットで調べていて、知りました。知ってすぐに入りたいと思いました。
そこから、問い合わせをして、職員の方が札幌に来て詳しく説明してくれて…という流れです。ライブなどで「自分も鍼の資格を持っているんですよ」と、他のバンドの方が話しかけてきたり、バンド活動の方でもここ(センター)に来たおかげで、出会えた人もいます。

4.夢を叶えるために…

画像:施術を行う山内さん(3)施術を行う山内さん

イ:卒業してからも、このような形での両立を、続けようとお考えですか?

山:はい。今は、函館で何年か勤めてから、いずれは札幌で、と思っています。まだどういう比重になるかわからないですが、イメージとしては音楽とのクロスオーバー的な感じかな…と。
施術後に演奏するという意味ではなくて、例えばライブの出演者やスタッフが自分の患者さんになる可能性もありますよね。
実際、楽器によって疲れる部位なども違うわけですから、そういう事を理解したうえで治療するのは強みになると思いますし、フェスやイベントに鍼灸のブースがあるというのも面白いかな、と思います。

イ:音楽で心をいやし、鍼灸で体をいやすわけですね?

山:そうです、異業種コラボですね。東洋医学自体には、古典的な大人しいイメージがあると思いますが、新しいアイディアを盛り込んでいければ面白いかな、と思っています。

山内さんは在学中に個人でアロマテラピーの資格試験にもチャレンジ、見事合格!

画像:山内さんのガッツポーズ(4)山内さんのガッツポーズ

イ:最後に、山内さんの将来の夢を教えていただけますか?

山:自分はセンターに来て、より障害を意識するようになりました。もちろん良い意味で、です。障害者は、例えば新しい事へのチャレンジや外出に消極的…というイメージを持たれがちだと思います。
もしかしたら、障害者本人もマイナスイメージを持っているかもしれないですね。
でも自分は、センターでどんどん刺激を受けて、やりたい事を見つけましたから、これからもそうしていきたいと思っています。
そんな自分を見て、「ああ、こういう風に出来るんだ」と皆に思ってもらいたいですね。

イ:是非叶えてくださいね!今日はありがとうございました。

5.利用者募集案内

当センターでは、就労移行支援(養成施設)、自立訓練(機能訓練)の利用者を募集しております。
利用を希望される方がおられましたらご案内いただきますようよろしくお願いします。
利用をお考えの方はお気軽にご相談ください。
 電話:0138の59の2751
 FAX:0138の59の4383
 Eメール:shien-hkdt[あっとマーク]rehab.go.jp

6.センター見学のご案内

当センターでは、随時見学を受け入れております。

「センターの利用を考えたいけど不安」というご本人やそのご家族、「紹介したいけど、よく分からない」というお知り合いの方や福祉関係者の皆様などなど、授業や訓練の様子、宿舎など、見学できます。
学習のために、見てみたいということでもOKです。
お気軽にお越しください。

見学が可能な時間帯
平日(月〜金)9時から17時まで

画像:(5)マッサージ体験をする親子(5)マッサージ体験をする親子
画像:(6)授業訓練公開の様子(6)授業訓練公開の様子

・【基本理念】

私たちは個人の尊厳と主体性を重んじ共に生きる社会の実現に向け支援します。

・【基本方針】

一 あらゆる場面で利用者の基本的人権を尊重します。
二 常に利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供します。
三 利用者が社会の一員として社会、経済文化等あらゆる活動に参加できるよう支援します。
四 地域に開かれた施設として地域住民関係機関との連携に努めます。
五 公正に職務を遂行し、専門的知識と支援技術の研鑽に努めます。


 企画発行
 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局函館視力障害センター
 042-0932 函館市湯川町1-35-20