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センターだより第50号(令和2年3月発行)ウェブ版 もくじ

誰でも簡単にできるいろいろセルフケア 〜ツボケア編〜
誰でも簡単にできるいろいろセルフケア 〜腰痛体操編〜
点字の誕生について
センター見学のご案内
市内オリエンテーション
全学年レクリエーション
公開講座・授業
見えない壁を乗り越えよう 〜おでかけ・移動編〜
利用者募集案内
基本理念・基本方針

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1.誰でも簡単にできる いろいろセルフケア 〜ツボケア編〜

 前回は、導入編としてセルフケアの概念や肩こりの対処法をご紹介しました。
今回からは実践編として、一般的な腰痛のツボケアをご紹介します。
なお、腰痛にはさまざまな原因がありますので、痛みが続くときなどは病院を受診するようにしてください。 

腎兪、大腸兪の紹介腎兪、大腸兪の紹介
腰腿点の紹介腰腿点の紹介

○ツボの刺激方法
1 指でおす。
2 お灸をする。
3 ツボの上に突起物やテープを貼る。

○注意点
1 強い力で押さえない(やさしく、痛くならない程度の強さで)。
2 怪我をしていたり、患部に熱感、腫れ、強い痛みがあるときは控える。
3 お酒を飲んだとき、食後1時間(満腹時)は控える。

2.誰でも簡単にできるいろいろセルフケア 〜腰痛体操編〜

次に、腰痛体操の方法をご紹介しましょう。ぜひお試しください。

腰痛体操腰痛体操

いかがでしょうか?
肩こりや腰痛のほかにも、「慢性痛」によって引き起こされる「不安、うつ」「不眠」などの症状についても、ある程度の効果があるセルフケアの方法があります。
次回は、そのような慢性痛と、関連する症状を緩和する方法をご紹介していきたいと思っています。
どうぞお楽しみに。

3.点字の誕生について

 よく点字を「暗号みたいで難しい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、それもそのはず、点字はもともと暗号でした。1800年代、フランスの軍隊で、暗い戦場でも伝令を正確に知る必要性から考案されたのが、指で触って読む暗号、点字の原型です。
 12個の点と線の組合せだった「暗号」を、指先で読みやすい6点式の「文字」に改良したのは、1820年代、盲学校の生徒だったルイ・ブライユ氏です。
 日本では、1890年(明治時代)に、盲学校の教師だった石川倉次氏が、生徒と共にブライユの点字を日本式にアレンジし、ついに点字の歴史が始まりました。

木製点字版木製点字版

点字が日本に入ってくるまで点字が日本に入ってくるまで

4.センター見学のご案内

当センターでは、随時見学を受け入れております。
 「センターの利用を考えたいけど不安」というご本人やそのご家族、「紹介したいけど、よく分からない」というお知り合いの方や福祉関係者の皆様などなど、授業や訓練の様子、宿舎など、見学できます。学習のために、
見てみたいということでもOK です。お気軽にお越しください。
見学が可能な時間帯平日(月曜日〜金曜日) 9時〜17時まで(要予約)
利用・見学をお考えの方はご予約ください。 TEL (0138) 59-2751

5.市内オリエンテーション

市内オリエンテーション市内オリエンテーション

当センターでは、毎年4月、就労移行支援(養成施設)の新入所の方と職員で、函館市内を散策する市内オリエンテーションを企画しています。市内オリエンテーションは、新入所の方の函館市内の見聞を広めること、新入所生間の親睦を深めることを目的に企画・開催しています。今年は4月23日(火)に開催し、土方・啄木浪漫館や函館市地域交流まちづくりセンターや北島三郎記念館を散策しました。昼食はシスコライスで有名なカリフォルニアベイビーのおいしい料理に舌鼓、笑顔で記念写真を撮りました。


6.全学年レクリエーション

全学年レクリエーション(パークゴルフ)全学年レクリエーション(パークゴルフ)

7月5日(金)、全学年レクリエーションを実施しました。全学年レクリエーションは「日ごろのストレスの解消と、参加者間の交流」のため毎年行っていますが、今回はパークゴルフやサクランボ狩りを体験したり、道南食品へ工場見学に行ってきました。
パークゴルフは、専用のクラブ、ボール、ティーを使ってカップインするまでの打数を競い合うスポーツです。通常のゴルフとは異なり、ボールを高く打ち上げず、転がしてカップインを目指します。体験に参加された方々は、はじめは打ったボールがあちこちにいってしまったりと苦戦していましたが、徐々にコツを掴むと、カップの方向へまっすぐ打つことができるようになりました。カップにボールが吸い込まれる瞬間、皆で手をたたいて喜びを分かち合うことができました。


全学年レクリエーション(サクランボ狩り)全学年レクリエーション(サクランボ狩り)

サクランボ狩り体験は、とったサクランボをその場で食べることができ、楽しさと美味しさが2つ組み合わされた最高の体験でした。
参加者の方の中には、触った感触で食べ頃なのかを見分けることができる方もいて、その方からお裾分けしていただいたサクランボは全部が甘くて美味しかったです。
自然豊かで時がゆっくり流れる空間の中、皆笑顔でサクランボ狩りを楽しむ光景は、喜び、楽しさを分かち合うといった一体感を感じました。


全学年レクリエーション(工場見学)全学年レクリエーション(工場見学)

道南食品での工場見学では、あの有名なサイコロキャラメルの製造行程を見学させていただきました。キャラメルの甘くて、どこか懐かしい香りの中、皆さん子どものように目を輝かせていました。
最後は、サイコロキャラメルの模様が模してあるスペースで記念撮影を行い、帰りにお土産も買えて大満足でした。
今回の全学年レクリエーションが大成功に終わり、皆さんも日ごろのストレスが解消され、参加者間の交流も深まったと感じます。今後も皆さんに楽しんでいただけるようなイベントを企画していきたいと思います。


7.公開講座・授業

〜市民公開講座〜
市民公開講座は、医療や健康などについての情報発信を目的に、主に函館市にお住まいの方を対象に、毎年テーマを変えながら実施しています。
今年度は、8月と10月に、函館市と札幌市で3回実施しました。
(1)「運動でフレイルを予防しよう」
(2)「お灸で健康づくり」
(3)「めまいの基礎知識―めまいに対処する―」
当センターを会場にした市民公開講座は、函館市の生涯学習システム「HAKODATEまなびっと広場」と連携しています。これからも様々なテーマを取り上げる予定ですので、ご興味のある方は、是非ご参加ください!


市民公開講座@市民公開講座@

市民公開講座A市民公開講座A

〜授業・訓練公開〜
授業・訓練公開は、平成21年度から始まり、今回で10回目となります。これまでに、ワールドカフェ、宿舎の見学や鍼実技の体験、暗やみ体験など、様々な企画を提供してきました。
実施後のアンケートでは、例年90〜100%の方々から、「良かった」とのご好評をいただいています。

授業・訓練公開風景授業・訓練公開風景

〜出張授業〜
皆さんのご要望に沿ってオーダーメイドが可能な、「出張授業」を強化しました。
点字や音声パソコンなどについての基礎知識はもちろん、いま人気のパラスポーツ(ボッチャ、ゴールボールなど)についても、実際に道具を見たり、体験していただけます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

☆その他にも…
センターでは、各種のイベントに「自分で簡単にできる何々治療」といったブースを出展することもあります。ご要望に応じた内容での研修会もお届けが可能ですので、どうぞお気軽にお声かけください。

8.見えない壁を乗り越えよう 〜おでかけ・移動編〜

 【人物紹介】
イクゾウさん 40歳男性 妻と二人の子供がいる。
糖尿病網膜症で全盲。現在、あん摩マッサージ指圧師を目指して、勉強中!!

どうもお久しぶりです。イクゾウです。自立訓練を受けて、めでたく「三療への道」を目指すことになったのですが・・・、いやぁ勉強って大変ですね。
さて、今回は私のセンター生活についてお話ししたいと思います。

<上部・下部防御姿勢>

上部・下部防御姿勢上部・下部防御姿勢

センターでは、一人でセンター内を移動します。当たり前と思うかもしれませんが、これが意外と大変。入所当初は、あまりの広さに迷路かと思いました。
でも、まずは職員がついて防御姿勢から習います。実はこれが大事だと歩き始めて分かります。簡単に説明をしますと、上部防御と下部防御とに分かれ、上部防御は片手を自分の前に横に広げます。これで、壁にぶつかる事を防ぎます。
下は、手を下方前に差し出す事で椅子や机などの発見に役立つものです。簡単な動きですが、これで安全にスムーズに動けるので大変助かっています。手を顔の前にかざしておくことで、座る時のゴッチンコも防げますしね。 


廊下手すり廊下手すり

さて、ここで問題です。皆さん、これ何か分かりますか?
ヒントは、センター内が「右側通行であること」です。他ではあまり見かけないかもしれません。ちなみに、写真は手すりの一部分です。


教室棟廊下教室棟廊下

さぁて、正解は・・・「反対側のドアの位置を示すもの」です。よく見ると点字で※「けんさしつ」と書いてありますね。そうです。写真のしるしは、検査室の向かい側(前)のしるしです。
右側通行していると、反対側の教室のドアの位置が分からないので、センターの手すりには、よくついています。


さて、休みの日は外にお出かけすることもあります。
もちろん、一人でですよ。多少の不安はありますが、一人で出かけられる解放感はいいですね。一生懸命まじめに訓練を受けた甲斐がありました。
「白杖」を持って、というか使って外出します。この棒1本が僕の命綱で、かけがえのない相棒です。
でも、一概に白杖と言っても色々な種類があるんですよ。ご存知でした?

写真上から直杖(ちょくじょう)・折りたたみ白杖・折りたたみ白杖・サポートケーン(体を支える杖)写真上から直杖ちょくじょう・折りたたみ白杖・折りたたみ白杖・
サポートケーン(体を支える杖)

様々なチップ(石突き)写真左から スノーチップ・パームチップ・ティアドロップ・ノーマルチップ様々なチップ(石突き)写真左から スノーチップ・パームチップ・
ティアドロップ・ノーマルチップ

一般的には、グリップ(握り手)、シャフト(柄)、チップ(石突き)が付いているタイプが主流ですが、シンボルケーンと呼ばれる細い杖や体を支えるサポートケーンもあります。  自分が使いやすい、分かりやすいのは人それぞれですから、良く考えて購入した方がいいかもしれませんね。ちなみに、僕は一人で歩く時は直杖、誰かと一緒に出かける時は折りたたみと使い分けています。その理由は、直杖は路面からの感触が伝わりやすく、丈夫なため一人で歩きやすいためで、折りたたみは、それこそ小さく出来て食事時とか便利ですね。

 あと外に出かける時は、携帯電話を必ず持って行きます。困った時に連絡できますし、タクシーの連絡先を調べてそのまま電話をかけたり、バスの時刻表を調べたり・・・。スマートフォンであれば外出に便利なアプリもありますよ。ちなみに、僕も使ってます。ハイテク?でしょ。

また、北海道は雪が降りますから、雪上での歩行訓練も実施してもらいました。仕事では、「雪が降ったから休む」なんて出来ませんからね。冬のことも考えておかなければなりません。希望すれば、夏の間から雪があることを想定した訓練も受けられます。それでも、夏季と冬季では音の聞こえ方が違ったり、積雪状況で路面の変化もあるので、簡単にはいきません。必要に応じて、タクシーなどを使うこともありですね。

 そんな感じで、函館にいる間に観光地巡りを楽しもうかなと思います。もちろん、勉強も頑張りますよ。ナオミさん(49号登場)にも会いに行こうかなぁ。それでは皆さん、またお会いしましょう。

9.利用者募集案内

 当センターでは自立訓練(機能訓練)及び就労移行支援(養成施設)の利用者を募集しております。自立訓練(機能訓練)、就労移行支援(養成施設)を利用する方で、通所が困難な場合は、宿舎を利用することができます。施設利用の申込手続きの詳細及び見学については、当センター支援課で受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。

○身の回りのことを自分でしたい方は…
自立訓練(機能訓練)

歩行訓練(屋内での移動や白杖を使用しての屋外歩行)、コミュニケーション訓練(点字、パソコン、ハンドライティング等)、日常生活訓練(身だしなみや日用品の整理等の身辺管理、掃除・洗濯・調理等の家事管理等)、スポーツ訓練、レクリエーション訓練、弱視者のためのロービジョン訓練等を行います。

・利用資格:視覚に障害があり市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方
・募集期間:随時受付
・利用期間:訓練内容や訓練期間は個々の利用者のニーズや状況に応じた個別支援計画及び訓練プログラムを作成し、ご本人同意の上で決定します。

○仕事をしたい方は…
就労移行支援(養成施設)

「あん摩マッサージ指圧師」、「はり師」、「きゅう師」の国家資格取得のための教育(学習、実技等)を行います。一定のカリュキュラムを終え、法令に定める単位を修得すると、国家資格の受験資格を得ることができます。  
国家資格取得後は、治療院の開業、治療院や病院への就職等で社会参加を目指します。

・利用資格
下記の二つ要件を満たす者
@視覚に障害があり市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方。
A大学に入学することが出来る方(高等学校を卒業した者に準ずる学力があると認められた方)
・募集人数
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう科
専門課程(修了年限3年) 20名
・募集期間
随時受付(2月末まで)
・利用開始
4月上旬を予定

問い合わせ先 電話 /0138−59−2751(代) 支援課入所担当
※当HPに利用申し込み用の各書式を掲載しておりますのでご活用下さい。→リンクはこちら

10.基本理念・基本方針

【基 本 理 念】
私たちは個人の尊厳と主体性を重んじ共に生きる社会の実現に向け支援します。

【基 本 方 針】
一 あらゆる場面で利用者の基本的人権を尊重します。
二 常に利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供します。
三 利用者が社会の一員として社会、経済文化等あらゆる活動に参加できるよう支援します。
四 地域に開かれた施設として地域住民関係機関との連携に努めます。
五 公正に職務を遂行し、専門的知識と支援技術の研鑽に努めます。


 企画発行
 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局函館視力障害センター
 042-0932 函館市湯川町1-35-20