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センターだより第51号(令和3年1月発行)ウェブ版 もくじ

1.誰でも簡単にできるいろいろセルフケア(実践編2) ~慢性痛に関連するツボケア編~
2.遠隔授業への取組み
3.見えない壁を乗り越えよう ~事務のお仕事編~
4.便利グッズのご紹介
5.センターのお風呂について
6.センター見学のご案内
7.利用者募集案内
8.基本理念・基本方針

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1.誰でも簡単にできるいろいろセルフケア(実践編2) ~慢性痛に関連するツボケア編~

 前回は、ツボケアの腰痛の対処法をご紹介しました。今回は慢性痛の患者さんが困っている症状に関連したツボケアをご紹介します。
 「なぜか不安な気持ちが続いてしまう」「よく眠れない」といった不調が、慢性痛の原因となっていることがあります。そんなときは、こんなツボケアを試してみてはいかがでしょうか。

○ツボの刺激方法
 1 指で押す。
 2 お灸をする。
 3 ツボの上に突起物やテープを貼る。
 
○注意点
 1 強い力で押さえない(やさしく、痛くならない程度の強さで)。
 2 怪我をしていたり、患部に熱感、腫れ、強い痛みがあるときは控える。
 3 お酒を飲んだとき、食後1時間(満腹時)は控える。 

【不安・うつのツボケア】
不安感が続く、気分が落ち込んでしまったときなど。

頭頂部
百会(ひゃくえ)
頭のてっぺん
左右の耳と鼻の延長線が交わるところ
百病に効くとされた万能ツボ
左手
内関(ないかん)
手のひら側で、手首から指3本分上の中央
乗り物酔いする方、つわりに苦しむ妊婦の方にも

【不眠のツボケア】
よく眠れない日が続いたりするのも、つらいですよね。そんなときは、このツボ。

左足裏①
失眠(しつみん)
かかとの中央
目がさえて、なかなか寝つけない方に
左側顔面
安眠(あんみん)
耳の後ろの骨(とがった骨=乳様突起)から指1本分下
過労や夜更かしが多い方に

【疲労感のツボケア】
なかなか疲れがとれないなと思ったときは、心も疲れているのかもしれませんね。

左足裏②
湧泉(ゆうせん)
足の指を曲げるともっとも凹むところ
体のエネルギーが泉のように湧き出てくるツボ
左手握りこぶし
労宮(ろうきゅう)
握りこぶしをつくり、中指と薬指の先が触れるところ
スマホ操作、料理や育児、掃除などワーママの手の疲れにも

【下痢・食欲不振のツボケア】
美味しく食べて健康づくり。食欲がなかったり、下痢ぎみだなと思ったら、このツボ。

左足
足三里(あしさんり)
ひざのお皿のくぼみから指4本分下で、向こうずねの外側
足のむくみや疲れにもよい
胴体正面
中脘(ちゅうかん)
みぞおちとおへその間
体力が出ないといった症状にお悩みの方にも

いかがでしょうか?
 慢性的な「痛み」があるときは、精神的な不調が原因になっていることもあります。ストレスをやわらげ、リラックスできる環境づくりをこころがけると、症状が緩和するかもしれません。ツボケアは時間や場所を選ばず、お金をかけなくてもいつでも何処でもできます。ぜひ、ご自分の体調に関連したツボケアを実践してみてください!
 次回は、ツボケア以外の、いろいろなセルフケアについてもご紹介していきたいと思っています。どうぞお楽しみに。

2.遠隔授業への取組み

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当センターも4月途中から授業が一斉休業となりました。
その間は、自学自習の資料を利用者に配布するなどして対応し、6月から感染状況を見ながら授業を少しずつ再開しましたが、再度の感染拡大に伴い、通常どおりの授業が実施できなくなることに備えて、遠隔授業の準備を進めることにしました。

 まず、当センターには、教室棟に無線LANが設置されていなかったため、その整備を行うと同時に、持ち運び可能なWi-Fiルーターを購入しました。
これにより、教官の授業を教室や実技室からリアルタイムで配信し、利用者はどこからでも受信可能となりました。
また、遠隔授業に適しており、且つ視覚に障害があっても使用しやすいアプリを厳選し、利用者に対してはタブレットやパソコン等にインストールする方法やアプリの使用方法などについて支援を行いました。
タブレット等を持っていない利用者には、貸出用の端末を貸し出しました。
無線LANの整備とタブレットの貸出は、授業の際の調べ学習や、解剖模型等を撮影して復習するなど使用方法が広がっており、思わぬ副産物となりました。

 また、授業以外での副産物としては、昨今コロナ禍において外部で実施される研修会や会議などがリモートで実施されることが多くなったため、職員がこの環境を利用して積極的に参加することが可能となったことや、教官の教育力向上への取組みとして例年行っている授業見学も、実際に教室で見学するのは少人数に留め、それ以外の教官は別の場所で、リモートで見学することで、密を避けられるようになったことなどが挙げられます。

 感染拡大が起こらず、実際に遠隔授業を実施しないことが一番ですが、万が一に備えることで利用者の安心に繋がるため、今後も環境整備に取り組んでいきたいと思います。

リモートイメージ
授業風景授業風景

3.見えない壁を乗り越えよう ~事務のお仕事編~

 僕の朝は、1杯のコーヒーを入れるところから、始まります。
 大きめのマグカップに、インスタントコーヒーをスプーン1杯入れて、水をカップ1杯、電子レンジに入れて、温めボタンを押したら、できあがり。本当のコーヒー好きからしたら、邪道な方法かもしれないけど、水を入れるから危なくないし、結構楽ですよ。お試しあれ。

 さて、自己紹介をします。僕は矢田(やった)元気。42歳独身。今でこそ、毎日一般社会人と同じ生活をしているけど、一時はパソコンの画面も見えなくなって、仕事も出来なくなってしまって・・・。そこで、しばらく休職して函館視力障害センターの自立訓練を受けました。訓練終了後、不安はあったけど、なんとか今の職場に復帰して半年ほど経ちました。

 そこで今日は僕の仕事の一部を紹介したいと思います
僕の仕事は・・・というと、とある会社の経理をしています。書類は通常の文字では見えないので、僕の場合は、拡大読書器を使って確認しています。拡大読書器は、拡大するだけでなく白黒反転も出来てコントラストも上げることが出来ます。通常画面が眩しく、はっきりしなくて見にくい僕には、とっても有り難いものです。不要なところを消すマスキングや目印になるラインなどを表示できる機能が付いた機種もありますよ。

拡大読書器の画面拡大読書器の画面

 眩しいといえば、机。白い机やピカピカの机は反射して眩しいので、黒い紙を机に貼っています。これで、白い紙を見失うこともないですしね。
 パソコンは、画面を拡大、白黒反転に加え、画面読み上げソフトを入れて操作の確認をしています。音声ソフトは助かるのですが、他の人にはちょっとうるさいかも。なので、イヤホンやヘッドホンを使うのですが、片耳の物や、ノイズキャンセル機能がついた物がお薦めです。それならパソコンの音声を聞きながら操作しても周りの音も聞こえるので安心。特に、伝導骨イヤホンはお薦め。耳も痛くならないし、そのまま電話にも出られますし、結構いいですよ。
 タッチタイピング(画面を見ないでキーボードを打つ方法)は、センターではかなり厳しく鍛えられたので、今では正確性とスピードは自信があります。誤字・脱字ばかりでは、社会人としては許されませんからね。
 復帰して、仕事は色々と大変だけど、こうやって働けるのはやっぱり職場の理解があってこそだと思うので、有り難いかな。感謝しています。

白い机に黒い紙を貼った様子白い机に黒い紙を貼った様子

僕は、若干右側がよく見えるから、右に拡大読書器、左に電話。正面に、パソコンという感じで並んでいます。


※お役立ち情報
仕事に使うのに、拡大読書器や画面読み上げソフトなど、就労支援機器を貸してくれる制度があります。貸出し対象は事業主となりますが、半年間・無償で貸してもらえますので、購入にあたり不安がある場合や仕事に使えるかなど検討するのにいいですよ。(国、地方公共団体、独立行政法人等は除く。)

※ブログもやっています。
https://hakodatecenter.blog.ss-blog.jp
イヤホンの便利グッズはこちら↓
https://hakodatecenter.blog.ss-blog.jp/2019-03-27

4.便利グッズのご紹介

 便利なグッズ紹介コーナーでは、日常生活で使うと便利なグッズを紹介するコーナーです。今回はデジタルなグッズを2点ご紹介します。

【探し物探知機】
 まず1点目は「探し物探知機」です。
 突然ですが皆さんは外出するとき、「あれ?鍵が見当たらない!」や「テレビのリモコンどこだっけ?」「眼鏡がない!」等々、探し物で困ったことはありませんか。そんなときは「探し物探知機」!!
 事前に無くしやすい物等に受信機を取り付けたり、入れておくことで、送信機のボタンを押すと、受信機から音が鳴り、探し物の位置を知らせてくれる便利なグッズです。
 受信機にはホルダーが付いており、ストラップとして活用することも可能です。
 しかも受信機は4種類(赤、緑、青、紫)あり、それぞれ違った物品に取り付けておくことで、探し物を選別することができます。
 今回紹介した「探し物探知機」以外にも同様の商品は多数あります。ご興味を持った方は是非自分にあったものを探してみてください。

探し物探知機探し物探知機

【テレビが聞けるラジオ】
 2点目は「テレビが聞けるラジオ」!その名のとおり、テレビの音声も聞くことのできるラジオです。このラジオはテレビの音声も受信できるため、「音声だけ楽しみたいのに、テレビだと大きいし場所をとってしまう」と悩んでいる方におすすめです!!
 主に使うスイッチはチャンネルボタン、電波(テレビ音声/AM/FM)選択のつまみ、音量のつまみといったシンプルなデザインで、点字表記もありますので、操作簡単!
 操作を音声で読み上げてくれる機能も付いています!
 緊急地震速報にも対応しているので、電源を切っていても緊急時は電源がつき速報ニュースが流れます。
 市区町村よって対象外となっている地域もありますが、日常生活用具費支給制度で購入費用を補助してくれることもあります。
 興味のある方は是非使ってみてください!

テレビが聞けるラジオテレビが聞けるラジオ

 当センターでは利用者の方や、講習を受けに来られる福祉関連施設の職員さんへ適宜便利グッズを紹介しております。便利グッズは100均のお店で簡単に購入できる物もあり、必ずしも福祉関連用具を販売しているお店じゃないと見つからない!という訳ではありません。視点を少し変えてみると、生活上困っていることを解決してくれる物は意外と身近にあったりします。

5.センターのお風呂について

 皆さんは「函館」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
 「温泉」を真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

 函館の温泉(湯の川温泉)は、登別温泉、定山渓温泉とともに北海道三大温泉郷のひとつに数えられる名湯といわれ、「名湯百選」にも選定されています。
お湯は無色透明かつ無臭でしっとりとした肌触り。
泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉が主となり、神経痛・筋肉痛・関節痛などが適応症とされています。
また、入浴後は体の芯からホカホカと暖まっていることが実感でき、まさに「名湯」と呼ぶにふさわしい温泉です。
そんな名湯に毎日入浴できることが当センターの魅力の一つとなっています。

男子浴室男子浴室
女子浴室女子浴室

6.センター見学のご案内

 当センターでは、随時見学を受け入れております。
 「センターの利用を考えたいけど不安」というご本人やそのご家族、「紹介したいけど、よく分からない」というお知り合いの方や福祉関係者の皆様などなど、授業や訓練の様子、宿舎など、見学できます。学習のために、
見てみたいということでもOK です。お気軽にお越しくださいませ。
 なお、マスク着用、体温測定等の新型コロナウイルス感染症対策に関する協力をお願いしておりますので、あらかじめご理解ください。
 見学が可能な時間帯平日(月曜日~金曜日) 9時~17時まで(要予約)
 利用・見学をお考えの方はご予約ください。 TEL (0138) 59-2751

7.利用者募集案内

 当センターでは自立訓練(機能訓練)及び就労移行支援(養成施設)の利用者を募集しております。自立訓練(機能訓練)、就労移行支援(養成施設)を利用する方で、通所が困難な場合は、宿舎を利用することができます。施設利用の申込手続きの詳細及び見学については、当センター支援課で受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。

○身の回りのことを自分でしたい方は…
自立訓練(機能訓練)

 歩行訓練(屋内での移動や白杖を使用しての屋外歩行)、コミュニケーション訓練(点字、パソコン、ハンドライティング等)、日常生活訓練(身だしなみや日用品の整理等の身辺管理、掃除・洗濯・調理等の家事管理等)、スポーツ訓練、レクリエーション訓練、弱視者のためのロービジョン訓練等を行います。

・利用資格:視覚に障害があり市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方
・募集期間:随時受付
・利用期間:訓練内容や訓練期間は個々の利用者のニーズや状況に応じた個別支援計画及び訓練プログラムを作成し、ご本人同意の上で決定します。

○仕事をしたい方は…
就労移行支援(養成施設)

 「あん摩マッサージ指圧師」、「はり師」、「きゅう師」の国家資格取得のための教育(学習、実技等)を行います。一定のカリュキュラムを終え、法令に定める単位を修得すると、国家資格の受験資格を得ることができます。  
国家資格取得後は、治療院の開業、治療院や病院への就職等で社会参加を目指します。

・利用資格
下記の二つ要件を満たす者
①視覚に障害があり市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方。
②大学に入学することが出来る方(高等学校を卒業した者に準ずる学力があると認められた方)

・募集人数
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう科
専門課程(修了年限3年) 20名

・募集期間
随時受付(2月末まで)

・利用開始
4月上旬を予定

問い合わせ先 電話 /0138-59-2751(代) 支援課入所担当
※当HPに利用申し込み用の各書式を掲載しておりますのでご活用下さい。→リンクはこちら

8.基本理念・基本方針

【基 本 理 念】
私たちは個人の尊厳と主体性を重んじ共に生きる社会の実現に向け支援します。

【基 本 方 針】
一 あらゆる場面で利用者の基本的人権を尊重します。
二 常に利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供します。
三 利用者が社会の一員として社会、経済文化等あらゆる活動に参加できるよう支援します。
四 地域に開かれた施設として地域住民関係機関との連携に努めます。
五 公正に職務を遂行し、専門的知識と支援技術の研鑽に努めます。


 企画発行
 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局函館視力障害センター
 042-0932 函館市湯川町1-35-20