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平成17年11月16日

公 開
照会先:国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
     補装具製作部 義肢装具士長 小池 雅俊
     TEL(代)04-2995-3100 内2506


快適にスキーを楽しめる義足部品を開発
‥障害者スポーツの普及のために‥



 このたび国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所では財団法人テクノエイド協会の平成15〜16年度福祉用具研究開発助成事業助成金をうけ、障害者スキーに対する実績のある複数の企業とともに、身体障害者が快適にスキーを楽しむための義足の足継手(足関節)を開発しました。開発に当たっては義足製作者のほかに医師、リハビリテーションエンジニア、障害者スポーツ指導員が参加し、実際の滑走性能を重視して行いました。

 この足継手はスキーに必要な膝いれ動作を適切に再現するための角度調整機構と反発力を備え、かつ通常使う義足の部品との互換性があり、義足の足部、パイプなど従来の義足部品を組み合わせることが可能です。(図1)

 構造はカーボンファイバー製でコの字型のリーフスプリングの開口部に交換式のウレタンバンパーをはさみ、継ぎ手自体に傾斜角をつけて十分なアライメント調整範囲をもたせています。このカーボンファイバー製のスプリングが膝屈曲時に反発力を発生し、広い可動域で適切な返りを生み出します。(図2)このスプリング幅のトリミングとウレタン製バンパの硬度変更によって利用者における幅広い技術レベル、体格への対応が可能となりました。

 身体障害者スポーツにおいて、陸上競技では市販の義足足部で、100mを11秒台で駆け抜ける下腿切断(膝下の切断)者やウインタースポーツでもチェアスキーの技術は世界のトップレベルにある一方で、下腿切断者にとってはそれを支える用具の開発は十分とはいえませんでした。
 冬のスポーツに代表されるスキーなどの滑るために必要な足部の機能は走行とは異なるため、下腿切断者の多くは、スキーを行う場合、義足を使用せず、アウトリガーと呼ばれる小さな板がついた杖を使います。この場合は両手をふさがれてしまい、義足を外しているため駐車場からスキー場への移動は困難ですし、片脚で滑るために滑走に伴う疲労も大きくなります。
 しかし、スキーのように足首の動きを制限する場合は、適切な機能を持つ部品が供給されれば、バリアとなっている用具の問題を解決しより快適に楽しむことができます。

 この問題に対し当センターでは過去に競技用下腿義足の開発を行いましたが、コストと汎用性の面から一般のユーザーには向かないものとなっていました。そこでスキー用義足に必要な機能は何か、ユーザーが抱える問題と解決方法についての調査を行い、改善方法を検討してきました。(この結果は障害者向けのリーフレットとして日英版を作成しています。)これらの調査結果とこれまでの研究成果を基に、今回の足継手の開発が行われました。

 この問題に対し当センターでは過去に競技用下腿義足の開発を行いましたが、コストと汎用性の面から一般のユーザーには向かないものとなっていました。そこでスキー用義足に必要な機能は何か、ユーザーが抱える問題と解決方法についての調査を行い、改善方法を検討してきました。(この結果は障害者向けのリーフレットとして日英版を作成しています。)これらの調査結果とこれまでの研究成果を基に、今回の足継手の開発が行われました。

 使用に当たっては、義足への組み付けと使用者の筋力や技術レベルに合わせたスプリング幅の調整は義肢製作所で行う必要がありますが、スキー場でのスキーブーツのバックルによる反発の調整も可能です。スキー靴を装着すれば外観・歩容は健常者と変わりません。(図3)また、初心者でもこの足継手を使用することにより駐車場からの移動を含めてスキーが容易になります。中級者以上の滑走においては義足と健側の違いが一見分からないレベルの滑走が可能となります。(図4)

 なお、今回開発した足継手は近日中に製品化される予定です。



(解説図)図1 義足の構成例
図1 義足の構成例
(解説図)図2 開発した足継手義(足首部のまる内)
図2 開発した足継手義(○内)
   
   
(写真)図3 装着した様子
図3 装着した様子
図4 競技経験者の滑走(左下腿義足に装着)
図4 競技経験者の滑走(左下腿義足に装着)


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