平成23年2月10日
公 開
国立障害者リハビリテーションセンター
 
 
障害者のための福祉機器開発に関する国際セミナーの開催
 
 この度、当センターにおいて、障害がある人々の生活の質(QOL)を向上する福祉機器の開発についての国際セミナーを下記のとおり開催いたします。
 本セミナーでは、個人に合わせて開発され、利用者に適合することが重要である福祉機器(オーファン・プロダクツ)の開発の現況について、日本、中国、韓国の関係者による発表と討論を行います。
 
テーマ: 障害者のQOL向上のためのオーファン・プロダクツ
−アジアにおける研究開発、適合の現況とこれから−
日時: 平成23年2月19日(土) 12:45〜17:20
場所: 国立障害者リハビリテーションセンター学院6階大研修室
主催: 国立障害者リハビリテーションセンター
(障害の予防とリハビリテーションに関するWHO指定研究協力センター)
参加費: 無料
プログラム 別紙のとおり
 
1 趣旨:
 近年、福祉機器は障害を持つ人々の心身機能を代償する機器から、生活の質を向上するための機器へと変化してきました。昨今の先進技術を活用して、障害を持つ人々のQOLの向上に役立つ福祉機器を開発することへの期待が高まっています。オーファン・プロダクツは、使用者が少なく、市場規模が小さい、調整と適合が必須であるという特徴をもつ福祉機器で、その概念はユニバーサルデザインの対極にあります。福祉機器の研究・開発では、オーファン・プロダクツとユニバーサルデザインという2つの異なった視点からの取り組みが必要です。今回のセミナーでは、日本、中国、韓国の開発従事者、日本の臨床家、行政、利用者として障害がある当事者等の方々の発表により現況と課題を明らかにし、これからのアジアにおける福祉機器の研究・開発の展望についても討論を行います。
 
2 本発表資料に関する問い合わせ先
 国立障害者リハビリテーションセンター 管理部企画課
 担当:斉藤、西村
 TEL:04 - 2995 - 3100 (内線2140,2148)
 住所:埼玉県所沢市並木4−1
 
※オーファン・プロダクツは、もともと狭義の福祉用具として長年にわたりその概念が広く認識されてきた。それを明示的に「オーファン・テクノロジー」として言及したのは、1998年、当時のアメリカ教育省の障害研究所(NIDRR)所長のSeelmanである。NIDRRの1999〜2003年の長期計画にはオーファン・テクノロジーの研究開発に関する戦略が示されている。その後、オーファン・テクノロジーの同義語として、オーファン・プロダクツが諏訪 基(当時、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所長)、井上剛伸(当時、同研究所 福祉機器開発部福祉機器開発室長)らによって提唱され(2006年)、現在に至っている。
 日本では、福祉機器の専門職に対する研修会などでも紹介され、広がりを見せつつある。

〔参考文献〕
井上剛伸.オーファンプロダクツとユニバーサルデザイン.福祉用具プランナー管理指導者養成研修テキスト.テクノエイド協会.2010. p.94-97.
 



(別紙)

国際セミナープログラム
障害者のQOL向上のためのオーファン・プロダクツ
−アジアにおける研究開発、適合の現況とこれから−
     
12:45〜12:50 開会挨拶 岩谷 力
    国立障害者リハビリテーションセンター総長
   
12:52〜13:14 中国、韓国リハビリテーションセンター長 挨拶
  李 建軍  中国リハビリテーション研究センター長
  Yong Hur  韓国国立リハビリテーションセンター長
     
13:15〜15:58 発表  
 1.オーファン・プロダクツ−その概念とこれまでの取り組み−
  諏訪 基 国立障害者リハビリテーションセンター研究所顧問
     
 2.韓国におけるオーファン・プロダクツの開発と適合
  Myungjoon Lim 韓国国立リハビリテーションセンター研究所研究員
     
 3.中国における義肢装具の発展と現状
  王 林 中国リハビリテーション研究センター義肢装具士
     
 (休 憩)
 
 4.QOLの向上に役立つオーファン・プロダクツ
  麸澤 孝 全国頸髄損傷者連絡会
     
 5.車いす・座位保持装置の規格・評価の現状と今後
  廣瀬秀行 国立障害者リハビリテーションセンター研究所
    福祉機器開発部室長
     
 6.シーティング・クリニック
  岩ア 洋 国立障害者リハビリテーションセンター病院
    副理学療法士長
     
 7.認知機能障害に対する支援機器の研究開発
  井上剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター研究所
    福祉機器開発部長
     
 8.福祉機器研究開発と普及促進
  小野栄一 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部企画課
    自立支援振興室 福祉工学専門官
     
 (休 憩)    
     
16:10〜17:10 総合討論、会場との質疑応答
     
17:15〜17:20 閉会挨拶 江藤文夫
    国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局長
 



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