全12紙面のうちの9紙面。 生活訓練内容紹介。歩行訓練について。 目が不自由になって、今日から一番困ることはなんでしょう。目をつむって想像してみて下さい。 朝起きて何をしますか。家の中でトイレに行くときどうしますか。ごはんを食べる時、洋服を着替えて買い物に行くとき、友達に電話をするとき、ちょっと散歩したいと思ったときナドナド。 一つ一つの動きは、たぶん普段なら何も考えないでできると思います。目が見えませんとまず、自分の動く方向に何か危険なものがないか心配ですし、動く方向も定まりにくくなります。 足元や顔に当たりそうなものを想像してしまいます。痛い思いをするのは、誰しも嫌なものです。 さて、本センターでは、「歩行」、や、「ロービジョン」、「点字」、「パソコン」、「日常生活」、等の訓練をそれぞれの利用者のカタに適した内容で訓練しています。 訓練の内容は、大きく分けて、 「移動」、と、「コミュニケーション」、です。ここでは、そのうち、『歩行訓練』、について、簡単に説明したいと思います。 「歩行」、という言葉から連想されることは、「歩く」、ことだと思います。足の不自由なカタが、リガク療法士の指導のモト、松葉杖や平行棒を利用して歩く訓練をすることも、「歩行訓練」、と言います。 視覚障害のカタの場合、「歩くこと」、そのものには不自由がありません。足が不自由ではないからです。 前述しましたように、「自分の足元や前方に危険性があるかどうか」、が問題になっているのです。 視力のあるカタは、あらかじめ意識もしないで、危険性を察知しています。周囲の環境や、横断歩道をしにんしているのです。一人で歩くことには、様々な要素を必要とします。 そこで、「はくじょう」、が必要になってくるのです。いわゆる、白い杖で歩幅の2歩先が確認できる杖を使います。 この杖には、3つの役割があります。まず、「安全確認」、ということで、杖が身体より先に障害物に当たってくれることで、防御の役割を担います。 次に、「情報収集」、として杖を手などの代わりに周囲の物へ当てることで、自分の安全を確保しつつどんなものがあるのか杖を通して知ることができます。 最後に、「能率性」、があげられます。杖がないと手サグりで歩く格好になってしまいますが 、「安全」、と、「情報」、を杖が担う為、効率よくさっそうと歩くことができます。 また、周囲の環境把握には、皮膚感覚や聴覚、臭覚等の感覚を利用し、頭の中で、自分だけの地図を作ります。「杖」、「感覚」、「頭脳」、をフルに使い、行きたい所へ自分で行けるように練習していく訓練です。 ( 指導課、フチガミ マサノリ)。