第52号 国立視力障害センター  センターだより 発行平成21年8月 就任のご挨拶  所長 千葉一也 この度4月1日付で所長を拝命しました。前職は国立障害者リハビリテーションセンター研究所の事務方でした。またそれ以前は、厚生労働本省などでしたので、実際は初めての施設勤務となります。したがって、施設運営業務については、「しろうと」かもしれませんが、施設長としての役割は、施設のあり方・方向性を示し、職員の皆さんが一丸となって職務に精励できるよう舵取りをすることが役目の一つと考えておりますので、実際の施設の業務は皆さんの助けも借りながら進めてゆきたいと思っています。 ところで、ほぼ初めての施設勤務で二点気づいたことがあります。第一点目は、利用者の方々の前向きな姿勢です。人生の半ばで視力障害が進行し、多くの方々には全く畑違いと言っていい理療の世界に飛び込むことは、生やさしい決断ではなかったはずです。それにもかかわらずそれを感じさせない前向きの姿勢を強く感じました。襟を正される思いです。そしてもう一つは、センター職員は高度な専門性を備えた集団ということです。教官にしても生活支援員にしても視覚障害者に対する各々の分野における指導援助の専門家です。この専門家集団をどのようにしてより活躍してもらうかが、今後「国立施設」としての役割を果たすためには重要となると思います。 当センターは開設以来58年を経過し卒業者は三千百人以上を数え、兵庫県を中心にあはき師を輩出してきました。今後は加えて視覚障害者の福祉の向上に係る政策の一端を担っていることを強く意識し、政策に反映させるための根拠(エビデンス)を示すという問題意識を持って業務を推進していきましょう。職員の皆さんの努力に期待しています。