去る7月27日(金)午後1時から3時迄、本館4階
中会議室を会場に上記交換会を開催しました。実習や見
学等でお世話になっている関係授産施設から13施設、
16名の職員が出席しました。出席者の中には当センタ
ー聴覚修了生で聴覚施設指導員である「速見千穂さん」
の初参加があったので、手話通訳者を配置しました。指
導部からは肢体主任及び視覚指導員の他、各施設状況を
把握して学習指導に役立てて頂く担当講師の方々も参加
して頂きました。職能部長の挨拶に次ぎ、職能課長が訓
練状況の説明を行いました。秋山主任の司会進行で始ま
りましたが、今回の議題「脳血管、頭部外傷者の受け入
れ現状及び問題」や「社会状況における作業内容の変化
」では、@半数の施設で、授産生の平均年齢が50才以
上と老齢化してきており、5割以上で脳血管障害が見ら
れること、A頭部外傷や知的障害者の増加による重度化
などで対応できる作業内容の提供に困難があること、B
在所期間の長期化、C不況に伴う作業売り上げの低下等
の問題が挙げられました。また、対策としては、@トイ
レ・浴室の設備改善、A障害特性に応じた作業の工夫、
B道具の開発、C障害部分を補う機械化の導入、D月例
職場会議によるやり甲斐や達成感の育成等、現状打破を
巡る様々な取り組みが紹介されました。
なお、過去、授産施設から一般就労する例は困難との
見方が強かったのですが、求人及び求職活動のニーズが
上手く一致して、3名が就労出来た例、昨年の緊急雇用
対策「トライアル雇用制度」の活用で採用された者が2
名あったことはニュースでした。ただし、事務系事業所
では、電話応対が求められるため、聴覚・言語障害があ
る人は採用が困難なことやパソコン入力能力のみでの採
用は無い等の実態も明らかになりました。また、施設か
らの一般就労希望者に関しては、作業工賃と年金とを合
わせた額と採用時賃金とで格差が少なければ、敢えて一
般就労のリスクを負う障害者は限られること、職業能力
の高い授産生は施設にとっても得がたい人材なので居て
もらわなければ困る事情も聞かれました。
加えて、4つのワークからも一般就労した例や訓練困
難な例が挙げられました。
最後に、主任から参加者全員に向けて、@当センター
を初め、各施設でも増加傾向にある高次脳機能障害者に
関する情報交換の必要性A実習制度の利用促進及び修了
生受け入れへの支援要請B高次脳機能障害者調査用アン
ケートへの回答協力等を呼びかけて閉会としました。
回収アンケートでは、@意見交換会は施設の抱える課
題を検討するのに意義があること、A現状が通過施設で
無くなってきていること、B重度化対策で苦慮している
等の意見が寄せられました。
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様々な取り組みが紹介された交換会 |