〔野鳥シリーズ39〕 |
リハセンターに飛来する野鳥を友に |
東京都福祉事業協会 母子生活支援施設 スタルト方南 見原 捷三(元理療教育部長) |
オオヨシキリ
オオヨシキリは、全長18.5cmで、体の上面はオリーブ黄褐色、腰と上尾筒は少し淡く、
一方下面は、胸側から脇が茶褐色を帯び、胸に不明瞭な灰褐色の縦班があります。
このオオヨシキリは、夏鳥として九州以北の河口、川岸、湖沼畔、草地などの広い
葦原に飛来します。
繁殖は、葦の茎に枯葉などで深い椀状の巣を作り、13〜15日抱卵し巣立ちまでに2週間
ぐらい掛かります。この鳥の繁殖で特徴的なことは、一夫多妻で繁殖することが知られて
おり、多いときは5羽の雌を従えている場合もあります。雄はテリトリーを守る為に葦の
茎や時には電線の高い所に、直立した姿勢でとまり、写真のように橙赤色の口の中を見せて
「ギョギョシ、ギョギョシ、ケスケスケス」と囀ります。この声から、オオヨシキリを
別名「行々子」とも呼びます。
私は、かつて、茨城県の守谷市に一時期住んでいたことがありますが、家の周りの空地で
「ギョギョウシ、ギョギョシ」と夜も囀っていたことがあります。複数の雌を守る為に
夜通し鳴いているのかと、いやに感心したことを覚えています。
さて、カッコウの托卵のことを、平成14年5月、223号(野鳥シリーズ25)のオナガの
記事に掲載したとおり、カッコウが飛来するリハセンターでは、オナガ同様に、この
オオヨシキリも隣接の通信基地あたりで、托卵相手にされているのかも知れません。