「聞こえの商店街」出展
指導部生活訓練課 会田孝行


 平成16年10月8日(金)から10月10日(日)の3日間、東京・市ヶ谷の日大会館で 「聞こえの商店街」が開催されました。これは、社団法人全日本難聴者・中途失聴者 団体連合会が主催となって開催された第11回全国中途失聴・難聴者福祉大会に付随した イベントです。聴覚に障害をもつ方に関するサービス、社会資源、機器、書籍等の 紹介・展示・販売や研究発表等が行われ、130程の企業や団体の出展がありました。 国立身体障害所リハビリテーションセンター更生訓練所としても、実施している サービス内容等を紹介することにより、聴覚に障害をもつ利用者の拡大につなげていく ことを目的として出展いたしました。

「聞こえの商店街」出展の様子 その1

 主催者発表では、3日間で2,000人以上も入場者数があり、若年から高齢の方までの 幅広い年齢層の聴覚に障害をもつ方、また、聴覚に障害をもつ方だけではなく、 聴覚障害関連施設・団体の関係者など様々な方が来場していました。特に9日(土)は、 近年では最大と言われた台風が都内を直撃したにもかかわらず、多くの方が入場し、 関係者にとって関心の高いイベントでした。
 3日間のうち8日(金)は、指導課・橋本専門職、相談判定課・工藤専門職、丸山専門職、 9日(土)は、指導課・春日井専門職、谷専門職、10日(日)は、指導課・春日井専門職、 生活訓練課・会田専門職が交代で担当しました。
 パンフレットやチラシ等の資料を配布したり、国立身体障害者リハビリテーションセンター (以下「リハセンター」という。)紹介のDVDを放映するなどしてPRを実施しましたが、 3日間で約750部の資料を配布することができました。資料を配布するだけでなく、 パワーポイントも利用して、入所から修了までの流れを説明し、更生訓練所で実施している サービス内容等を理解していただくように図りました。その際に、訓練内容や入所にかかわる 手続き、入所中の生活、修了後の状況など様々な質問やご意見がありました。
 「資格を取得したけど就職ができずに困っている」「託児所や家族で入寮できる設備など 主婦でも利用できる環境にして欲しい」「訓練受けたいけど所沢は遠い、家族がいるので 寮には入れない」「趣味的な範囲でパソコンの訓練はできるのか?」「手話が全くできなくても 訓練を受けることは可能か?」「夫が難聴になってしまったが家族間でコミュニケーションが とれずに困っている」「現在中学部の子供の将来の進路が心配」等、3日間で実に多岐に 渡った質問や意見、そして相談がありました。


「聞こえの商店街」出展の様子 その2

 リハセンターで仕事をさせていただいている上で、いろいろな方とお会いする機会が ありますが、リハセンターに対する知名度や関心は全国的に高いのですが、実際に リハセンターの組織や更生訓練所のサービスなどをご存知ない方や、誤ったとらえ方を されている方が数多くいることを常々感じていました。今回の「聞こえの商店街」でも、 来場者の方から「更生訓練所への入所の際は試験が難しい」、「年齢制限があるので入所 できないのですよね」などの話しが出されたことが、これらを如実に示していたように 思いました。
 リハセンターの組織が大きいために、外部の方からはわかりにくい面があるのはやむを 得ないにせよ、更生訓練所の利用者が減少していることからも、積極的に正しい情報を 伝達するなどの施設PRを図る必要性があると思います。それは、「国立施設が出展して いることに驚いた。もっとどんどんPRすべきだと思う。」こんな意見も頂戴していること からも、リハセンターに対する期待度の高さが伺えます。
 聴覚に障害をもつ方の更生訓練所の利用者拡大を目的としましたが、今回のイベントに 出展したからと言って、即効果が現れるとは思っていません。しかし、今回の 「聞こえの商店街」への出展を通して、直に情報を提供し、PRを図ることで、利用者拡大 となるきっかけを作る非常に良い機会だったと思います。「どんどんPRすべき」という意見を いただいたとおりに、今後も外部に発信する手段を積極的に進めていくことが重要では ないでしょうか。その結果、更生訓練所の利用者拡大につながっていくと良いと考えて おります。
 最後に、今回の「聞こえの商店街」に出展するに当たり、ご協力いただいた職員の皆様方に、 厚くお礼を申し上げます。