〔更生訓練所情報〕
平成16年度理療教育課程第26回卒業式
理療教育部 舘田 美保



 理療教育課程第26回卒業式が、当センター講堂で平成17年3月2日に開催されました。 春の雪の便りを聞き暖かさに憧れる日々が続いておりましたが、当日は寒さも緩み梅 の花が陽春を招いておりました。
 午前10時、大きな拍手が高等課程7名、専門課程21名の卒業生・修了生を迎えました。 あふれる笑顔、おどけた顔、少し緊張した顔も、席に着く頃には穏やかな表情となりま した。
 国歌斉唱後、ご来賓・ご家族の皆さま、在所生・職員の祝福のまなざしが卒業生 に届くなか卒業証書・修了証書が佐藤総長から授与されました。一人一人の名前が呼ば れるたびに、自信に満ちた声が響きわたりました。そして、佐藤総長は大きな手でしっ かりと一人一人の卒業生の手を取られお祝いの言葉を述べられました。証書を授与され た卒業生・修了生のそれぞれの思いは、この瞬間に新しいスタートラインから輝かしい 未来に向けての一歩を踏み出されたことと思います。

第26回理療教育課程 卒業証書授与の様子

 証書授与に続き総長式辞では、佐藤総長より相撲や武道でいわれる「心・技・体」につ いて医師として活躍されている方の実践をとおしてお話がありました。それは、集中力、 身体能力と洗練された技術との関係でもあり東洋療法の施術者としての基本にも通じる 大切な心構えでした。また、専門の技と趣味の調和の大切さについても話され最後に 「健康を維持し、多くの方に頼られる施術者になって下さい。」というお言葉をいただ きました。
 来賓祝辞では、厚生労働大臣、埼玉県知事、東光会会長からそれぞれお祝いの言葉をい ただきました。また、全国からの祝電も披露されました。
 記念品贈呈では、センターから卒業生・修了生に額縁が贈られ、高等5年卒業生新名馨 さんが代表として受け取りました。また、卒業生からの記念品として、専門3年卒業生 石川善清さんが目録を読み上げ、アメリカン花水木紅白一対がセンターに贈られました。
 送る言葉では、専門2年の渡部宏治さんから、先輩たちの新しい活躍の場をめざそうと する、勉強そして放課後真剣に臨床実習に取り組む姿へ敬意を表すとともに感謝の言葉 が述べられました。先輩たちの志が渡部さんに真っ直ぐ引き継がれていることが伝わり ました。

第26回理療教育課程 目録の読み上げ

 お別れの言葉は、専門3年卒業生の小竹泰子さんから、ゆっくりと丁寧に卒業生・修了 生の様々なセンターでの生活・学習の思い出が感動として語られました。感性を磨くこ との大切さとご自身の成長を実感された話しとともに自分たちを支えてくれた多くの方々 にお礼が述べられました。小竹さんは正面を向いて話されていましたが、突然、後輩・仲間 たちが座っている方向に振り向き語りかけました。「何が自分にとって必要か考えること、 工夫する努力をして、困難を乗り越えて下さい。」と。
 感動の波に包まれながら蛍の光が斉唱され式が終わりました。式典は、卒業生と、卒業 生のみなさんを支えた様々な方が一斉に集まる晴れの日です。送り出す我々にとっては 今後何をすべきかを考えしっかりと受け止める空間でもあります。なぜなら、そこには 卒業生の喜びや悲しみ、そして現れることのない思いがあるからです。
 最後に、この式典に出席できず故人となられた卒業生宇佐美一生さんのご冥福を心より お祈り申し上げます。