〔更生訓練所情報〕 |
平成17年度理療教育課程第26回入所式 |
理療教育部 篠原 政敏 |
今年は冬の寒さが春になっても続くという異常気象となった。そのおかげで第26回入所
式が行われた4月12日(火)は桜が満開の時期に遭遇するという幸運に恵まれた。
第26回の入所式を迎えた新入所者は、高等課程が6名、専門課程が30名、合わせて36名
であった。
国家斉唱に続いて点呼が行われ、36名の不安と期待とが入り混じったような声を聞いて
いると、また今年も新たな年度が始まるのだなあと私達も気持ちが改まる思いであった。
最初に岩谷更生訓練所長が挨拶にたたれた。そこでは、あはき師を目ざす新入所者がお
かれている社会状況は、国の社会保障や福祉制度の実施状況からしても極めて厳しい情勢
にあるという現実直視の話から始まった。国家試験合格をめざして勉学に励むことはもち
ろん、入所して来た以上は集団生活の中で互いに協力し合う精神を養って欲しいこと、集
団生活を通して自立した社会生活を営めるように健康管理などを始めとして、社会人とし
て生活していける力を養うよう心がけて欲しいといったことであった。
次に在所者代表である高等課程3年の宮島健二学友会長が歓迎の言葉を贈った。「あは
きをめざして勉学や技術の習得に日々励んで欲しいことは言うまでもないが、自分の過去
2年間を振り返った時、勉強とともにクラブや仲間、そして卒業生などとの交流によって
人間関係も広がりさまざまな出会いが自分にとっては非常に有意義であった。」といった
経験を切々と訴えていた。新入所者にもこうした人付き合いを通して広い人間関係を作っ
て欲しいという希望を述べていた。
新入所者からは専門1年の小松崎里美さんが挨拶をされた。36名は不安と期待の中で、
あはきをめざして頑張るつもりであるので、温かく見守っていただき、かつ支援を是非お
願いしたいと話を締めくくっておられた。
今、わが国では障害者の自立支援という新たな社会福祉のありかたへと大きな激変期に
入って来ており、リハセンターもそれに伴って大きく変わろうとしている。新入所者もこ
うした中で前途多難が予想される社会に復帰しようと一大決心の下、リハビリテーション
を選択してここに来ておられるのであるから、私たち教職員もそれに対する最大の支援が
できるよう最善を尽くす決意をしている。入所者と共に学びつつ惜しまぬ努力を続けてい
きたいと思っている。