〔更生訓練所情報〕
生活訓練課程野外訓練の実施
指導部生活訓練課 生活訓練専門職 会田 孝行




 生活訓練課程では、入所者の自主性と協調性を高め、これまでの訓練成果を 発揮することを目的に、毎年野外訓練を実施しています。今年も7月29日(金) に飯能市にある名栗川の第6区河川広場において、入所者13名、職員等14名、 計27名で野外訓練を実施しました。
 野外訓練の実施は、訓練の一環として入所者が中心となって企画立案を行い、 準備を進めてきました。当初、入所者の皆さんはこの行事のイメージがつかめず、 遠慮がちな様子があり、出される意見も皆無に近い状況でした。そのため、先行 きに不安を感じるスタートだったのですが、話し合いを重ねるうちに、次第に場 の雰囲気に慣れて、今までの経験を生かした意見や自分の希望などを活発に述べ るなど積極さが増したことで、素晴らしい企画が出来上がりました。
 炊事班の相談では、メニューをカレーライス、野菜サラダ、フルーツと決定し ました。カレールーは肉とシーフードの二種類を作り、辛さも変えるなどの工夫 を凝らすことで意見がまとまりました。様々な意見が出されていましたが、単に 自分の希望を述べるだけではなく、食材や調味料に配慮し食事制限のある仲間を 気遣う場面が見られました。レクリエーション班の相談では、移動中のバス内で は○×ゲームや山手線ゲーム、時間当てなどを、現地では輪投げとボール叩き (スイカ割りのようなもの)を実施することで決定しました。細かなルールを相 談する際は、実演しながら決めていくほどの熱の入りようでした。
 準備を万端にして迎えた野外訓練当日、気がかりだった天候も心配することな く予定通りに出発することができました。名栗川の第6区河川広場は、周囲が緑 に囲まれ、傍を流れる名栗川も水が透き通っており、自然を満喫できる場所です。 私たち一行の他に、家族連れでバーベキューや川遊びを楽しんでいました。

(写真)昼食の様子
昼食の様子

 夏を感じる太陽の下、食材を切り、かまどで火を起こし、汗を流しながら共に協力して作ったカレーライスは格段においしかったのでしょう。おかわりをする方が何人もいました。おなかを満たした後は、ちょっと休憩。この時に、川に入り(膝下の浅い川です)、涼を求めたり、白杖で川の流れを感じたり、石投げをしたりするなど、心ゆくまで自然を楽しむ方もいました。


(写真)川遊び
川遊び


 ひとしきり自然を満喫した後は、レクリエーション班が企画した輪投げにボール叩きのゲーム。どちらも狙っていてもなかなか思い通りにいかないのが笑いを誘うところです。そんな中、周囲の的確なアドバイス(野次?)のおかげで、見事にボールを叩いた方もいました。また、輪投げでは輪を一つ一つ投げて楽しむのではなく、まとめて投げてしまう豪快な方もいました。


(写真)レクリエーション(輪投げ)
レクリエーション(輪投げ)

(写真)レクリエーション(ボール叩き)
レクリエーション(ボール叩き)


 このようにして今年の野外訓練も、事故もなく無事に終えることができました。入所者の皆さんが、主体的に、そして互いに協力しながら取り組んでいた様子から、この行事の目的は十分に果たせたと思っています。最近修了された方が、挨拶の中で、野外訓練は新たに経験することも多くあり、忘れられない思い出の1つとなっていると述べられており、入所者の皆さんにとって貴重な体験の場となっていると改めて感じました。今後もこの行事が有意義に行えるよう支援していきたいと考えています。
 最後に、野外訓練実施に当たりいろいろとご協力、ご支援いただきました他部署の方々に感謝するとともに、お礼申し上げます。


(写真)集合写真
集合写真