〔更生訓練所情報〕
センター内職場体験実習
指導部指導課



1.センター内職場体験実習について
 更生訓練所では、平成18年10月の障害者支援施設指定と新事業の開始に向けて、これまで効率的・ 効果的な訓練をめざした訓練体制の検討、整備を行ってきました。新事業の柱の1つである就労移行 支援事業では、職場体験プログラム、技能修得プログラム及びセンター内職場体験実習を有機的に組 み合わせてサービス提供することとしており、そのうちセンター内職場体験実習では、働くための力 を身につけることを目標に、センター内各部署の協力をいただきながら7月から実施しています。
 センター内で実施することのメリットとして、利用者の障害に関する理解や設備面での問題が少な いことが考えられます。そのため、センター外実習に比べると、多様な実習形態を用意することがで き、多くの利用者がそれぞれの目的別の実習にチャレンジできます。


(図) センター内職場体験実習
センター内職場体験実習


2.現在、実施しているセンター内職場体験実習
(1)郵便物の仕分け・配達実習
 管理部総務課より依頼を受けて、7月10日から毎日、センター内の郵便物の仕分け・配達作業を実施 しています。仕分け作業グループと配達作業グループの2チームに分かれ、それぞれ3名ずつが参加し ています。
 仕分け作業は、郵便物を管理部内でセンター内の部署ごとに仕分けしています。最初は宛名がどの部 署を指しているか、なかなか理解できず、ミスもありました。しかし、約1ヶ月経過した現在では、チ ームワークもよく、作業の進め方がスムーズになり、ミスもほとんどなくなりました。
 配達作業は、経路に沿って、安全に配慮しながら配達先を回ります。配達先は全部で12ヶ所。現在で は経路を覚え、協力して配達作業を行なうことができています。
 今後は、もう少し時間短縮が図れるように工夫をしていきたいと考えています。


(写真)郵便物の仕分けの様子
郵便物の仕分けの様子


(写真) 郵便物の配達の様子
郵便物の配達の様子


(2)研修会の受付実習
 7月5日(水)から7日(金)までの間に開催された「高次脳機能障害支援事業関係職員研修会」に ついて、学院より依頼を受け、4名の実習生が参加しました。利用者は前日のリハーサルから参加し、実 習業務の全体像を理解したうえで、会場設営、配布資料の準備、受付・誘導業務、湯茶準備を担当しまし た。
 当日、利用者の表情は緊張している様子でしたが、挨拶もしっかりできており、指示の理解もできてい ました。この実習体験で利用者の自信もついたようです。
 実習を担当していただいた学院職員の評価もよく、ほぼ問題なく進めることができました。研修会受付 業務は9月以降も実施していく予定です。


(写真)受付の様子
受付の様子


3.今後の計画と課題
今後の実習の予定として、センター内の事務用品のピッキング・補充業務(管理部)や病院外来者の受診科 への案内(病院)等を計画しています。
 以上のようにセンター内職場体験実習は開始されたばかりのため、課題も多くあります。例えば、実習の 効果をどのように客観的に測るのかも重要な課題の1つです。実習の成果を、その後の訓練や就職活動にい かにフィードバックできるか否かが、就労移行支援事業を現実的に展開するポイントになると言えます。


4.終わりに
 利用者にとって、実習の経験は責任感、チームワークの育成等にとても意義のあるものです。実習を通し て利用者の意識が変わり、実習を機に訓練への取り組む姿勢が大きく変わる場合もあります。職員にとって も、通常の訓練では気づかない利用者の適性や興味を発見できるというメリットがあります。
 今後も、働くための力を身につけることを目標に、センター内職場体験実習に取り組んでいきたいと思い ます。