〔平成19年度重点事項〕
更生訓練所
 


 平成19年度の更生訓練所の運営に関する重点方針としては、障害者自立支援法に基づく指定障害者支援施設として質の高い障害福祉サービスを提供するため、各事業における支援体制の充実強化を引き続き図るとともに、客観的な評価方法の整備や各種支援機関等との連携体制の確立を図ることとし、次の4点を掲げております。


1 指定障害者支援施設としての定着と利用者ニーズに対応したサービスの提供
 自立訓練(生活訓練)、同(機能訓練)、就労移行支援、同(養成施設)及び施設入所支援各事業間の連携をこれまで以上に図って、利用者お一人お一人のニーズに的確に対応した良質な、かつ効果的な障害福祉サービスを提供し、利用者から選ばれる施設を目指して、訓練環境や支援体制の整備や的確な訓練プログラムを策定するほか、介護が必要な利用者の受け入れのための体制の整備や精神障害、知的障害をお持ちの方の受け入れについても検討を進めることとしております。

  また、障害福祉サービスの質を客観的に評価するため、いわゆる第三者評価の実施を検討することとしております。


2 センター各部門との連携強化
 医療から就労にいたる一貫した総合的リハビリテーションの推進の観点から、病院、研究所、学院との有機的かつ一体的な運営をこれまで以上に強化して、適切な医学管理、健康に関する自己管理能力の向上、各障害に対応した訓練プログラムの検討や支援機器等の研究、技術開発への協力・参加を図ることとしております。


3 就労支援の地域ネットワークの整備
 就労移行支援の利用者を中心とした一般就労に向けての職場実習や求職活動支援、定着支援などの取り組みを効果ならしめるためには、企業、事業所及び就労支援関係機関等との連携が支援基盤として確立されていることが重要であることから、公共職業安定所(ハローワーク)が中心となって構築する地域就労支援ネットワークの整備に積極的に参画することとしております。
 また、同時にこれまでの求職活動支援等を通じて確立された、各地域におけるハローワークをはじめ、職業リハセンターや特殊支援学校、就労継続支援事業所等との連携の一層の強化を図り、就労に関する関係機関の取り組み等の情報収集等を実施し、実際の就労支援の充実強化を図ることとしております。(詳しくは「国リハニュース」平成19年3月号更生訓練所情報をご覧ください。)


4 利用者情報管理システムの充実
 障害福祉サービスを提供する各職員が、個々の利用者の訓練進捗情報や生活支援の状況などの最新の情報を共有することによって、今まで以上に適時適切な支援が可能となることから、「利用者支援ステム」の構築を進めておりますが、本「システム」の基本情報を有効に活用するとともに、「就労移行支援(養成施設)」における「学籍管理システム」と各事業に共通する「食数管理システム」についても運用を開始することとしております。



 また、各事業それぞれの運営に関する個別重点方針は次のとおりとなっております。


1.まず自立訓練においては、生活訓練、機能訓練それぞれに関する訓練マニュアルの見直しをするとともに、個々の訓練項目に関する客観的な評価基準の整備に関して検討を進め、サービス水準の向上や均質化を図ることとしているほか、より多くの訓練サービスを提供する観点からグループ支援を推進することとしております。


2.次に就労移行支援においては、利用者お一人お一人の意向、ニーズに適切に対応した技能習得訓練を効果的に実施するため、技能習得に係る訓練科目や訓練内容の見直しを行うとともに、評価方法についても検討を進めることとしております。また模擬職場や当センター内外の職場実習などの訓練環境を整備し、職場体験訓練の充実を図ることとしております。

 このほか上記に掲げておりますが、整備された就労支援の地域ネットワークを活用して、これまで以上に巡回サポート等をきめ細かく実施して、求職活動や職場定着支援に資するとともに、生産活動の機会の提供の実現に向けて検討を進めることとしております。


3.就労移行支援(養成施設)においては、教育効果を上げるための教育体制の整備を主眼として教科課程の見直しとカリキュラムの充実、「学ぶ」力の向上などに取り組むこととしております。これは平成17年度において設置された「更生訓練所理療教育部の運営に関する委員会」報告を踏まえたものでもありますが、昨今の理療教育をめぐる社会情勢の認識のもと、当更生訓練所理療教育課程利用者の方の卒業後をも視野に入れたプログラムを整備し、効果的な支援を実施しようとするものです。(詳しくは「国リハニュース」平成19年2月号巻頭言をご覧ください。)


4.さらに施設入所支援においては、当更生訓練所宿舎が利用者の方にとって快適な生活の場となるよう、プライバシーに配慮した居室整備、食堂・トイレ等の既存設備の改修等を計画的に実施するとともに、介護が必要な者の受け入れに際して必要となる課題等に関して検討を進めることとしております。


 このほか、発達障害者に対する各事業ごとの訓練プログラム、施設入所支援の方法を検討するとともに、必要に応じて自立訓練・就労移行支援などの訓練をモデル的に実施することや、高次脳機能に障害のある方の積極的な受け入れを行うとともに、全国各地での支援の普及に資するため、ケース研究やさまざまな症例に対応したマニュアルの作成などを実施することとしております。

  引き続き、関係する皆様のご理解とご協力をお願いいたします。