〔病院情報〕
「患者満足度調査」を実施して
患者サービス向上委員会


 「医療はサービス業」であるという認識が浸透し、医療の現場でも一般のサービス産業で実施されている顧客(患者さま)満足度を意識するようになってきています。

 患者満足度調査は、顧客である患者さまの満足度を調査し、自分達の提供している医療サービスを振りかえる機会にすると共に、医療サービスの質改善に役立てようとするもので、サービスの内容には診療の他に、接遇、案内、患者・家族の意見の尊重、利便性、プライバシー確保の配慮、療養環境の整備、快適な療養環境の提供と多岐にわたるものが含まれています。

 病院では平成18年度に病院医療機能評価受審に伴い、入院・外来の患者さまを対象とした患者満足度調査を実施し、さらに、その結果を職員全体で共有するために、平成19年度に報告会を実施しました。今回はその一部を報告いたします。

  調査はアンケート方式で実施し、入院アンケートは平成18年12月4日から47日間で166部配布、外来アンケートは7日間で1000部配布し、回収方法は調査会社への郵送方式によるものでした。回収数は、病棟は111部(回収率66.9%)、外来は276部(回収率27.6%)、全体の回収率は33.1%でした。

 

《入院アンケートの結果》

  総合満足度は全国平均を上回り、特に「家族や友人への推奨意向」は最高レベルでした。しかし、@治療の結果では、「期待通りの症状改善」に対する評価が高かったのですが、比較対象が療養型病院中心であり、リハビリ専門病院と比較したものではない点に注意が必要です。A設備面では、売店、入浴・シャワー設備、食堂、病室の温度、図書室の情報コーナー、トイレ・洗面所などについて不満がありました。B職員との信頼関係では、看護師を除き相対的に低い評価でした。

 その他、入院の手続き、職員の対応、職員間の引継ぎ、治療・療養方針への希望反映など改善にむけて努力を要するとの指摘がありました。

 

《外来アンケートの結果》

 総合評価では、総合満足度はすべてにおいて全国の平均を上回る水準でした。

 しかし、@設備面では、トイレ・洗面所、交通手段、食堂・売店、駐車場などに対する不満がありました。A診察内容では、待ち時間や期待通りの症状改善に対する評価は高かったのですが、診察時間に対する評価は全国平均を下回っていました。

 

 患者満足度調査での「満足」という回答は、本当に利用者の満足を示しているのかという疑問があります。不満とまでは行かないので満足の項目にチェックしたが、何らかの意見があることも考えられます。今回、自由記載欄の意見には患者サービスの改善、業務の見直しのヒントになるセンター・病院全体で検討すべき事項、個々の職員が自分を見直すことなど多々ありました。どれも貴重なご意見ですので一部を紹介します。

<入院で一つだけ改善するとしたら>

 休日にも訓練できる環境がほしい、リハビリの時間を長くしてほしい、病室が6人は狭い、ホール・談話室を明るくしてほしい、食事の味付けを改善してほしい、職員の態度(業務的である、連携が足りない、緊張感がない)を改善してほしい、面会時間を延長してほしい、談話室を区切ってほしい、看護職員を増員してほしい等

<外来で病院を変えたいところ>

 自分の順番までの待ち時間がわかるサービスが欲しい、会計処理を早くしてほしい、クレジットも対応してほしい、予約キャンセルを簡単に出来るようにしてほしい、午後も受診できると良い、診療科(小児科、婦人科・消化器外科)を増やしてほしい、設備面では診察室・トイレを孤立した扉で仕切ってほしい、病院名から身体障害者をなくす等

 

 患者満足度調査結果については、平成19年5月に院内で報告会を実施し、72名の職員が参加しました。改めて認識すべきことは、患者さまは、医療機関に治療効果が高いことを求められるのは当然のことですが、人・設備などの治療環境が快適であることも重要視されているということです。職員一人一人の日ごろの言葉使い、態度などの接遇改善に心がけることも大切です。

 今回の調査で得られた結果は、自己満足調査に終わることがないように患者さまに選ばれる病院を目指し病院全体で取り組んでいきたいと思います。





(写真1)外来患者さま満足調査度を実施させていただきます


(写真2)院内風景