〔野鳥シリーズ59〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
日本福祉教育専門学校
見原 捷三(元理療教育部長)



シマフクロウ

 今回は、特別編として北海道にのみ生息している貴重なシマフクロウを、何としても皆さんに御覧戴きたいと思って記事にしました。

 私は、一昨年3月に、東京都福祉事業協会を退職して、現在日本福祉教育専門学校の非常勤講師を勤めている以外は、仕事から離れていますので、野鳥観察や野鳥撮影を楽しんでいる昨今です。

 そこで、野鳥の宝庫である北海道に、是非行って見たいと思っていましたが、退職したその年は8月から12月まで入院治療を余儀なくされ断念しました。

 しかし、昨年7月主治医の許可を得て、7月から8月に掛けて20日間、念願の青森の白神山地及び北海道一周ドライブを実施しました。車には、撮影機材を積み込んで、妻と二人で車の中に寝泊りしながら気ままな旅でした。この間、観光地を訪れたり野鳥観察の折には、多くの方々との出会いがあり、野鳥情報を聞いて良い写真を撮ることが出来ました。

 中でも、このシマフクロウは、北海道内に130羽しかいないと言われている天然記念物の貴重な鳥です。この写真は、秋になると鮭が遡上し、それを狙ってヒグマが出没する羅臼の川で、夜間2時まで掛かって撮影したものです。

 このシマフクロウは、全長71cmで日本のフクロウの中では最大です。写真のとおり大変精悍な姿をした灰褐色の鳥です。鳴き声は、「ホッ」「ホッホー」と低くて良く通る声で鳴きあいます。

 生息地は、北海道東部の森林を主としていますが、徐々に個体数が減少しており絶滅が危惧されています。そのシマフクロウを幸いにも、今回の旅行で知り合ったバードウォッチャーから、情報を得て撮影することができました。

 私は、この野鳥シリーズを書き始めて、今回で59回になりますが、今までにも数回に亘って自然破壊により、野鳥が私達の生活の周りから消えつつあると書いたことがあります。繰り返しになりますが、野鳥を始め動植物は、自然環境のバロメーターと言われています。

 今年の全国的な猛暑、世界各地の風水害などは、地球温暖化に起因していると専門家が指摘しています。このかけがえのない地球を、後世に残すために一人一人が今、何をする必要があるのか真剣に、考える必要があるのではないでしょうか。

 今回、北海道を旅して、野鳥仲間との交流の中で、再認識した次第です。丹頂鶴は絶滅の危機から脱したと言われていますが、まだ安心できません。このシマフクロウが、トキやコウノトリのように、絶滅の憂き目に遭わない事を祈るばかりです。


(写真)シマフクロウ