〔魚拓シリーズ17〕
「テングダイ」
前更生訓練所理療指導室長 川政 勲


 テングダイはカワビシャ科(深い岩礁の周りに棲む肉食魚。体高が著しく高い)の魚で、日本では本州中部〜九州、小笠原諸島に分布。水深40m〜250mの岩礁やその周辺に棲む。体の縞模様、大きな背びれ、下顎に密生する短いひげなどが特徴の魚である。
 滅多に魚屋には出ない魚であるが、10月から冬にかけて抱卵していて一番美味しい時期である。
 伊東の釣りと俳句の恩師が何度か釣り上げ、送ってくださった魚で、作品集にも載せたことがある。しかし、魚拓を取る際は長時間掛かり、しかも1回では満足な作品に仕上がらない。
 1日で終わらなければ再度冷凍保存し、取り直す、あるいは魚拓の仲間に提供し、作品を作っていただくこともある。そんな訳で鮮度も落ち、2度頂いたテングダイは2度とも食べてはいない。
 最近は仕事が忙しく釣りにも余り行けない状態である。
 師は2年前にお亡くなりになったので、自分が釣らない限りもう手には入らないだろう。暇を作って師の足跡を辿る釣りをしてみたいと考えている。


 啓蟄やポケットにある潮位表  いさお



(画像1)テングダイ