〔野鳥シリーズ70〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
元理療教育部長 見原 捷三



バン(鷭)
 前回(野鳥シリーズ69)オオバンを掲載しましたので、今回はバンの記事にしました。
 バンは全長が約32cm、雌雄同色で、頭、頚は黒色、嘴は赤色と黄色、足は黄緑色で眼は赤色をしています。
 日本では、全国で繁殖し北海道、本州中部以北では夏鳥ですが、その他の地域は留鳥です。
 生息地は、平地から山地の湖沼、川、水田などを好み普段は草の中に居ることが多いが、時には開けた場所に出てきて活動することもあります。特に公園や池に生息するものの中には人に馴れているものもいますので、身近で観察することも出来ると思います。
 繁殖期には、水辺の草や葦原などに枯草を積み上げて皿状の巣を作り、5〜12個の卵を産み雌雄で抱卵、約3週間で孵化した雛は、写真の通り黒い綿毛に覆われていて、嘴は親と同じ様に先端が黄色で基部は赤色をしています。
 ところで、このバンは大変親孝行な鳥で、暖地では年2〜3回繁殖する時には、初めに孵化した若鳥が次に孵化した雛に親と一緒に餌を与える行動が見られます。
 餌は、昆虫、貝、植物の実などを、水面を泳いで捕食します。
 鳴き声は「クルル・クルル」と鳴き、まるで人の笑い声に似ているので「バンの笑い」とも言います。
 この他、バンの別名を「クロドリ」或いは「コバン」と言う地方もあります。



(図)バン