〔更生訓練所情報〕
平成21年度理療教育課程第31回卒業式
理療教育・就労支援部  教官 水沼 健生


 春の訪れを感じさせるような暖かい日差しと来賓・在所生・職員の温かい眼差しの中、3月3日(水曜日)、当センター講堂にて理療教育課程第31回卒業式が開催されました。
 式典は盛大なる拍手に迎えられて、卒業生12名(高等課程2名、専門課程10名)と修了生4名が入場し、理療教育・就労支援部の鈴木部長の開会の言葉で始まりました。国歌斉唱の後、岩谷総長は卒業証書、修了証書を卒業生、修了生の一人ずつに手渡し、熱く固い握手を交わしておられました。卒業生・修了生は、卒業証書、終了証書と岩谷総長の熱い気持ちをしっかりと、その両手に受け取りながら、これまでの3年間、5年間の想いと卒業の喜び、これからの期待、希望などを感じていたようでした。
 総長の祝辞では、洪自誠の「菜根譚」や内村鑑三氏、バンクーバー五輪の浅田選手などのお話しを交えながら、豊かで素晴らしい人生に必要なものについて、卒業生や修了生が既にそれらのものを手にしていること、また手にしているそれらのものを持ち続けることの難しさ、その先にある栄光と感動について語られました。その称賛と激励の言葉が、これからセンターという港を出て行く卒業生・修了生の心に自信と勇気という光明を与える灯台の光のように感じられました。
 引き続き、ご来賓の厚生労働大臣、埼玉県知事、同窓会組織である東光会会長からご祝辞を、全国の関係機関・関係者・退官された職員の方など多数の方々から祝電をいただきました。
 卒業生を送る言葉では専門課程2年生の柳川直也さんが、自身の体験や卒業していく先輩方との思い出から、夢の大切さ、夢を叶えることの努力の大切さについて述べられていた。学年の違いはあれど、同じ学び舎で卒業式の今日まで共に過ごして来た先輩達との別れを惜しみつつも、その旅立ちの成功を期待する言葉が送られました。
 卒業生からの別れの言葉は高等課程5年生の田中宏さんが自らのエピソードから家族や友人への感謝の言葉、ばらばらの知識が円のように繋がるという発見によって、勉強に対する印象が変わって行ったこと、クラス対抗球技大会や臨床実習、センターでの様々な出会いや体験の中で、人間関係づくりの難しさと大切さを学んだこと、そんな貴重な体験が出来たセンター生活を通して自らの道を見出したことが語られました。心のこもった一言一言が卒業式に参加したすべての人達に伝わっていたように感じました。
 蛍の光を斉唱し、鈴木部長の閉会の言葉にて卒業式は滞りなく終了いたしました。
 温かい拍手の中を自信と喜びという証書を胸に凛と顔を上げて歩く姿は誇らしく、とても美しく映りました。未来を一歩一歩、確実に歩んでいく卒業生たちにセンターの桜たちも少し早い花をつけて祝福していた姿が印象的でした。
 式典後、転任早々に素晴らしい卒業式に参加できた喜びを感じながら、来年、再来年と続いていく卒業式も同じように素晴らしいと思っていただけるために、自分に何が出来るのだろうかということを考えていました。
 その答えも今回の卒業式にあったような気がしました。
 それは感謝することと、その気持ちを持ち続ける努力をすることだと思いました。
 すべての利用者の方々・すべての職員の方々・センターへ、改めて感謝いたします。
 素晴らしい卒業式と素晴らしい気持ちをありがとうございました。



(写真1)卒業式の様子1
 
(写真2)卒業式の様子2