〔学院情報〕
養成課程の紹介
 


 国立障害者リハビリテーションセンター学院には、言語聴覚学科、義肢装具学科、視覚障害学科、手話通訳学科、リハビリテーション体育学科の5つの学科があります。今年度は5学科あわせて66名の新入生を迎えました。新入生の目からみたそれぞれの学科の授業や行事の様子について、紹介させていただきます。


言語聴覚学科

言語聴覚学科1年 鈴木香菜美

 国立障害者リハビリテーションセンター学院の言語聴覚学科に入学し、2ヶ月ほどが経ちました。刺激を受ける毎日で、大変充実しています。
 日々の授業では、各分野で活躍されている先生方に教えていただけることが、何より嬉しく思います。豊富な臨床経験に基づいたお話を交えて講義してくださるので、より深くイメージしながら聞くことができます。先日は実際にイヤーモールド(耳型)の作成を体験させていただきました。難聴体験なども行い、補聴器装用や難聴での生活について、体感しながら考えることができました。
 また、体育祭ではリハビリテーションセンターの方々と交流することができ、大変嬉しく感じました。リハビリテーションという分野でつながったこのような貴重な場で学ぶことができる喜びを再認識しました。この2年間を大切にし、クラス30人で支え合いながら励んでいきたいと思います。


(写真1)イヤーモールドの作成体験
イヤーモールドの作成体験


義肢装具学科

義肢装具学科一年 徳田 和彦

 義肢装具学科に入学してから2ヶ月が経ちましたが、私にはあっという間に経過した様な気がしています。これは学院での生活が非常に充実しているからであり、日々新たなことを学び、濃密な時間を過ごすことができているからだと感じています。
 授業では、義肢装具概論といった専門の授業だけでなく、生理学、心理学、物理学など様々な授業があり、色々な方向から義肢装具についての理解を深めることができます。
 また、製作実習では最初に先生方のデモンストレーションを見て学び、それから実際に自分で製作して技術を学ぶことができるので分かり易いです。 生活面においては、『挨拶』と『掃除』を常に心掛けています。また、学院生活の中で分らないことがあれば先生方や先輩方、そしてセンターの方々から丁寧なサポートをしていただいており、非常に感謝しています。
 これからも同じ志を持った仲間とこの充実した環境の中で一生懸命義肢装具について勉学に励みたいと思います。


(写真2)デモンストレーション (写真3)製作実習
デモンストレーション 製作実習


視覚障害学科

視覚障害学科1年 王 鑫、田伏 久士

 こんにちは。私達は視覚障害学科1年生。視覚に障害をもった方々に様々な訓練サービスを提供する専門職を目指す10人です。
 早いもので、今年の4月に入学してから学院生活が4ヶ月目になりました。どの授業も初めてのことばかりで、向学心を刺激されつつ、いろいろなことを体験しています。2年生の先輩の指導の下で、アイマスクをして学院の中を歩行したり、豚の眼の解剖の授業を通じて、目の構造や働きを学んだり、先輩がアイマスクを着け、白杖で学院から新所沢駅までの道を往復するのを見学し、そのスキルの高さに驚き、1年後の目標ができたり、などなど。
 様々な講義や演習を通じて、目が不自由な方の気持ちや生活の状況を少しずつ理解できるようになってきました。これから、もっとたくさんの知識や技術を身につけるため、何事にも真剣に取り組み、視覚障害者の生活を支援できる、あたたかみのある人になりたいと思っています。


(写真4)「歩行技術の理論と教授法」の演習(トイレでの環境確認)
「歩行技術の理論と教授法」の演習(トイレでの環境確認)


手話通訳学科

手話通訳学科1年 隈元 義明

 「でっかいなー!」これが、私の抱いた第一印象でした。国立障害者リハビリテーションセンター学院の門をくぐってから、はや3ヶ月が経とうとしています。私は現在、学院の中でも手話通訳士の養成を行っている手話通訳学科に在籍しています。全国でも珍しい本格的に日本手話を学ぶことのできる当学科は、長い歴史があり今年で21期目を迎えています。手話通訳士の資格取得を目指し、14名(実習生を含めると15名)の仲間が全国から集まりました。講義内容は、手話のほかに、ろう者の文化や歴史、ろう教育、さらに、社会福祉全般まで多岐にわたっています。
 学院では、スポーツ交流会や体育祭など、各行事を通じて、他学科交流も盛んに行われています。これから2年間、恵まれた教育環境の中で、同じ志をもった仲間とともに、実り多き学院生活を送りたいと思っています。


(写真5)スポーツ交流会にて
スポーツ交流会にて


リハビリテーション体育学科

リハビリテーション体育学科1年 岡崎可奈子、下溝麻里奈

 リハビリテーション体育学科は、障害者福祉を推進するうえで必要な総合的リハビリテーションにおける体育・スポーツ指導を専門とする技術者を養成する目的から、平成3年にわが国唯一の専門職員養成機関として発足しました。私たちは、大学時代に体育学・スポーツ科学について学んできましたが、この学院では、それらの知識を基にして障害のある人へ、運動・スポーツを介したリハビリテーション技術や理論について幅広く学んでいます(写真1)。現在、実践の場として、先生方と先輩方が綿密な計画の基に毎週実施している自立支援局利用者の体育授業に、補助者としてかかわる機会を得ています。今後、先輩方に代わって私たちが実践していくことを考えると不安な面もありますが、利用者の方々にスポーツを楽しんでもらえるよう一生懸命に頑張っていきたいと思います。授業以外でも放課後は、センター利用者の方々をはじめ、職員の方々と一緒に車椅子バスケットボールやゴールボールなどのクラブ活動で汗を流して交流を図っています(写真2)。これから約2年間、たくさんのことを学び、経験し、障害のある人のニーズに柔軟に、そして何よりも効果的に運動処方ができる指導者を目指して自己研鑽していきたいと思います。


(写真6)バスケット競技用車いす移乗の介助(授業) (写真7)ゴールボール(クラブ活動)
写真6 バスケット競技用車いす移乗の介助(授業) 写真7 ゴールボール(クラブ活動)