〔魚拓シリーズ31〕

「ハタタテダイ」
元更生訓練所理療指導室長 川政 勲



 ハタタテダイはチョウチョウウオ科の魚です。
 東西は東アフリカ〜ポリネシアに分布。南北は下北半島〜マリアナ諸島まで。岩礁域では付着藻類、砂泥地では小動物を食べる。
 同種にムレハタタテダイがおり数十匹の群れを作って泳ぐのが特徴であるが、ハタタテダイは群れを作らない。
 作品のハタタテダイは、義兄とその釣り仲間二人で八丈島に釣りに行った時、義兄や仲間の方達はヒラマサ、シマアジ、カンパチ、ウメイロ、メジナなどの超高級魚をターゲットとして、一生懸命コマセを撒き、仕掛けを降ろし誘いをかけて釣りあげていた。
 八丈島の釣りに慣れていない私にはそんな大物は釣れるべくもなく、小さいカンパチやメジナ、ウメイロなどを釣っていた。そんな時に仲間の方の一人がハタタテダイを釣ったが、目当ての魚ではないので捨ててしまった。
 それを見て、私は慌ててタモを手に取り掬って手に入れた。
 魚拓を作る私から見るとハタタテダイは恰好の教材で、捨てるなんてとんでもないことです。
 その後は義兄やその仲間の方達は八丈に行き、珍しい魚が釣れると、持ち帰ってくださり、そのせいで自分では釣れない魚の魚拓を作ることができている。


泣かす恋泣かさるる恋初嵐 いさお



(写真)ハタタテダイ