〔自立支援局情報〕
野外訓練を終えて(就労移行支援)
総合相談支援部総合支援課  水村 慎也


 7月22日(木曜日)〜23日(金曜日)、山梨県にある東京YMCA山中湖センターにて、就労移行支援利用者を対象に野外訓練を実施しました。この野外訓練は、「日頃の生活・訓練場面とは異なる自然環境における野外活動を通して、利用者の自主性と協調性を養い、心身の健康の増進やリフレッシュを図る」ことを目的とし、利用者40名、職員等23名の計63名が参加しました。
 東京YMCA山中湖センターは、山中湖のほとりにあり、富士山と豊かな自然に囲まれたキャンプ場です。今年は雨が多かったせいか、湖の水かさも増しましたが、幸いにも晴天に恵まれ、無事に予定通り進めることができました。
 当日は、センターからバス2台で出発しました。途中の談合坂SAでは、早速お土産を買う方もいましたが、皆、野外訓練に対する期待で胸をふくらませていました。早朝からトラックで荷物を運んだ先発隊の職員達は、例年に無い猛暑のなか、汗びっしょりになりながら事前準備をしてくれていました。
 1日目の夕食は自炊で、メニューはカレーとサラダです。食事班が内容を検討し、話し合いを重ねて決定しました。当日は、グループ毎に分かれて調理を行いましたが、薪で火を熾す名人技を披露する方もいれば、灰汁とりに執念を燃やす方もおり、班毎の特色が表れた夕食でした。このように野外訓練では、普段の訓練や生活場面では見ることができない利用者・職員の一面を見ることができます。皆で協力して食事を作ることは、野外訓練の醍醐味の一つです。
 夕食後はキャンプファィヤーです。グループ毎に分かれて、ジェスチャーゲームや○×クイズを行いました。この野外訓練には、視覚障害、肢体不自由、聴覚障害、高次脳機能障害など様々な障害のある方が参加しています。キャンプファイヤー係は、皆にわかりやすく楽しめるための議論を重ね、ゲームの質問内容をスクリーンに写しだすなどの工夫をしました。このような準備が功を奏し、キャンプファィヤーを囲みながらのゲームは盛り上がりをみせ、特にジェスチャーゲームでは、「マイケルジャクソンが将棋をしている」というお題に対して、珍回答が続出しました。皆のユーモアあふれる身振りもあり、大盛況となりました。
 キャンプファイヤー終了後、キャビンでは談笑の声が途絶えませんでした。普段とは異なるシチュエーションの中で、利用者同士、また、職員と利用者が談話を楽しむことができるのも1泊2日の野外訓練だからかもしれません。
 2日目のレクリエーションは、フリスビー大会を行い、その後は山中湖でボートに乗りました。フリスビーはチームに分かれ、的に入れた得点で勝敗を争いました。的は広げた傘なので大きくは見えますが、実際やってみると苦戦を強いられる方がたくさんいました。見事に的に入った時は、皆で拍手するなどチームの枠を超えて楽しんでいました。また、雄大な富士山を眺めながらのボートは、とても思い出に残る貴重な経験になりました。水着になって、湖に浸かりながらサポートする気合いたっぷりの職員もおりました。
 終了後のアンケートでは、全ての項目で「満足」と返答した方がたくさんおられました。また、「普段話せない人と話したり、意外な才能など、たくさんの発見や経験ができた」といった意見もありました。こうした結果となりましたのも、利用者、職員が準備の段階から協力して進めることができた結果の賜物だと思います。ご協力いただいた各部署の職員の皆様に改めて感謝し、お礼を申し上げます。

(写真)調理中   (写真)食事中
     
(写真)キャンプファイヤー   (写真)キャンプファイヤーを楽しむ参加者
     
(写真)フリスビー大会   (写真)山中湖でボート