〔病院情報〕
病院紹介シリーズ「薬剤科」
病院 薬剤科


 当院における薬剤科の業務内容は、前回第304号(平成21年2月)に紹介していますので、今回は服薬指導業務の一環として眼科の白内障手術患者さんへの点眼服薬指導とおくすり手帳について紹介したいと思います。
 薬剤科による白内障手術の点眼服薬指導は平成10年度より病棟に出かけ患者さんのベッドサイドにて行ってきました。白内障手術は高齢の方が多く、更に術後の点眼する期間が2〜3ヶ月と長いため帰宅後もスムーズに点眼が行えるように指導するのが目的となっています。
 平成21年度に眼科の白内障手術のクリニカルパスが試行開始され、薬剤師が行う点眼服薬指導もそれに沿って行うようになりました。
 まず白内障手術が決定した患者さんは、眼科外来にて『白内障手術のしおり・予定表』(以後しおり)を渡されます。これには時系列で使用する点眼薬及び内服薬等の説明がイラスト付きでわかりやすく示されており、これを見ることで事前に手術前・後に処方される薬が把握できます。
 手術前日に入院の場合、入院した日に病棟にて持参薬及び薬に対する副作用やアレルギーのチェック及び指導の方法などを確認します。その後病室にてしおりを使って薬と点眼方法の説明をします。
 さらに手術翌日、医師の診察後から点眼が開始となります。
 ここでは点眼スケジュール表を見て実際に患者さん自身に点眼をして頂きながら指導をしますので、理解しやすいのではないかと思われます。


(図)点眼スケジュール表 点眼スケジュール表

点眼薬の画像写真の数で点眼回数を表示することにより、数種類の点眼回数の異なる複雑な処方の場合でも正しく点眼できるように工夫しています。


 その後退院時に、入院中に処方された薬や持って帰る薬の説明をしています。入院中に出た薬が退院後わかるように、おくすり手帳に処方ラベルを貼付します。
 この『おくすり手帳』とは、服用している薬を患者さん自身に知っていただくための手帳です。
 おくすり手帳を利用することで次のようなメリットがあります。
 1.緊急時の対応が可能:地震などの災害時・旅行先で薬が足りなくなった時・交通事故などで手術する時など
 2.医師・薬剤師が薬のチェックが可能:合わない薬・複数の病院を受診している時・ジェネリックを服用している時
 同じ成分の薬でも名前(商品名)の違うものがたくさんあります。非常に間違いやすいので、手帳があれば、処方薬や副作用の記録をすぐに確認できます。

 薬剤科ではおくすり手帳をお持ちの方に処方内容が記載された処方ラベルを出しています。手帳をお持ちでない方にはご希望があれば差し上げています。定期的受診が必要な方、アレルギーがある方はぜひご活用下さい。