〔病院情報〕
病院紹介シリーズ
「リハビリテーション部リハビリテーション体育
(運動療法部門)」
 


 皆様は、「体育」と言う言葉を思い浮かべると小学校や中学校・高校などで行った学校体育のことを思い出されるのではないでしょうか。また、スポーツを連想すると、オリンピックや競争をイメージし、多くの方は、体育やスポーツは、「爽快感」や「感動」を感じながらも、「きびしい・根性」と敬遠されるのではないでしょうか。しかし、当センター病院で行っているリハビリテーション体育(運動療法部門)は、そのイメージとは大きく違います。

【リハビリテーション体育とは】
 リハビリテーション体育とは、病気やけがなどにより心身に障害を持つ方々や機能が低下した皆様を対象として、レクリエーションやスポーツ、体操などの運動特性を手段として、基礎的な体力の維持・向上や日常生活活動の改善・拡大、心身の活動性の向上など、積極的で生き生きとした社会生活を営む上で必要な心身機能の維持・増進を図るための部門です。

【対象について】
 リハビリテーション体育では、障害の内容に関わりなく、病院に入院されている方、外来で通院されている方、自立支援局に入所されている方で就労移行支援や自立訓練に在籍されている方を対象にしております。但し、病院入院・外来患者様に関しては、主治医の指示の基に指導を行います。

【施設の紹介】
 施設は、第一体育館(フロアー・プール)、第三体育館(トレーニング室)に分かれており、皆様方に、必要な課題を個別や集団で提供しております。

①第一体育館フロアー
(写真)第一体育館フロアー (バスケットボールコート1面:バレーコート2面の大きさ)
②第一体育館プール
(写真)第一体育館プール (25メートル×6コース:温水プール)
③第三体育館トレーニング室
(写真)第三体育館トレーニング室  



【主な実施内容について】
 リハビリテーション体育の実施にあたっては、身体的・心理的・社会的状況や治療や訓練を終えた後の目標などを把握し、それぞれご利用頂く方々に必要な指導を行います。皆様方の心身機能や体力レベル、運動やスポーツに対する嗜好(好き・嫌い・上手下手など)を十分に検討した上で、下記のような個々人に合ったトレーニングメニューをプログラミングします。病院では、ベッドサイドや訓練室で身につけた基礎的な日常生活関連動作をいろいろな場面で活用・応用できるように、楽しみながら取り組んでいきます。

トレーニングメニューの一例(車いすで移動される方)
車いすに座ってできる上半身のストレッチ運動
安全に移動する練習
・段差昇降(車いす屋外応用訓練)
(写真)段差昇降(車いす屋外応用訓練)
体力測定から解った不足した体力の向上
・ マシーンを使った上半身の筋力トレーニング
・ 立位歩行様運動による全身持久力向上の運動
(写真)立位歩行様運動
スポーツ種目の体験
・ ゴロ卓球
・ 車いすバスケットボール
(写真)ゴロ卓球 (写真)車いすバスケットボール
その他の種目
その他の種目では、障害に応じて、集団での楽しいトレーニング(リズム体操の一例)も取り入れています。
(写真)リズム体操


 自立支援局では、生涯スポーツ(個人種目・集団種目)の体験を通して、自己実現や社会への適応性の向上を中心に、利用期間中、定期的に運動を行っています。また、クラブ活動の指導や各種スポーツ大会への参加も支援しています。

(写真)スポーツ大会の様子

【障害者スポーツを通した地域支援】
①施設の開放(障害者スポーツに)
  土・日祭日には、体育関連施設の開放を行い、地域で活動する障害者スポーツ団体の練習や大会などが盛んに行われています。また、パラリンピックに出場する競技種目の合宿などにも利用されています。
②センター内クラブ活動の指導
 自立支援局では、訓練終了後の放課後に、自主的な活動として、ウィルチェアーラグビー、車いすバスケットボール、ツインバスケットボール、バレーボール、車いすマラソンなどのクラブ活動を積極的に行っています。リハビリテーション体育では、そのクラブ活動の指導も行っています。このクラブ活動には、修了生や地域で活動するスポーツ選手も参加し、情報交換など交流の場としての役割も担っています。

(写真)クラブ活動の様子


③地域で活動する障害者スポーツ団体等への協力
 施設開放以外にも、地域で活動する障害者スポーツ団体や個人に対して、競技大会の運営、審判やクラス判定、スポーツの指導など専門性を活かした協力も行っています。

【その他の活動】
・ センター学院 リハビリテーション体育学科の学生の現場実習や他機関からの専門的な研修を定期的に行っています。
・ 小・中・高校生の総合学習(職場体験)の受け入れを行い社会や障害、スポーツへの啓蒙活動も行っています。