〔自立支援局情報〕
平成22年度理療教育第32回卒業式
自立支援局 理療教育・就労支援部 理療教育課 池田 和久

 理療教育の第32回卒業式が3月2日(水曜日)に挙行されました。この日は曇の合間から時折温かい日の光りが差し込み、この式典を祝うかのようにセンター中庭の梅の花が紅、白と色鮮やかに咲いていました。
 今年度は、卒業生13名(専門課程11名、高等課程2名)と修了生10名(専門課程6名、高等課程4名)がこの日を迎えました。卒業を祝う大きな拍手と共に卒業生が会場に迎えられ、式が始まりました。ご家族、在所生、関係者が見守る中一人一人に卒業証書が渡され、卒業生はセンターで過ごした期間を振り返るように凛とした張りつめた面持ちで、渡された卒業証書を握りしめ、岩谷力総長と固い握手を交わしていました。
 式辞では、岩谷総長より卒業生へのお祝いの言葉として健康と思いやりについて、「自分の健康を大事に、人へのシンパシー=共感、共鳴、思いやりを大切にして欲しい。卒業生の皆さんには障害を通じて、障害を持っているからこそわかることがある。共感できる力、その力を理療師として生かしていって欲しい。」と、障害と真摯に向き合い努力した労いと、これから新たな人生を歩もうとしている卒業生への期待と思いが込められていました。
 続いてご来賓から厚生労働大臣、埼玉県知事、山田同窓会東光会会長よりご祝辞がありました。障害と向き合い、勉強に一生懸命に励んだことに敬意が称され、患者さんの苦しみを理解し、それを和らげられる理療師として頑張っていって欲しいなど、お言葉を頂きました。また、来賓の方の紹介と、祝電の披露が行われました。
 送る言葉は在所生を代表して竹内学友会長より、卒業される先輩方との交流を通じて、多くのことを学ばせて頂いたと感謝の気持ちと、卒業という節目を迎え、これから第一線に立っていく卒業生への飛躍を期待する気持ちが力強い言葉で語られました。
 卒業生を代表して石田さんより別れの言葉がありました。不安いっぱいでセンターに入所し、勉強や人間関係での苦労も、コツコツと勉強に励む仲間に触発され、多くの人に助けられ一生懸命に励んだ日々を振り返りながら感謝の気持ちと共に、これからその感謝の気持ちを伝えられない亡き祖父母への思いを胸に患者さんの苦痛を和らげることで果たしていきたいと、心を込めて一語一語を噛み締めるようにゆっくりとした口調で語られ、その思いが場内の感動を呼び、時折すすり泣く声が聞かれました。
 卒業式後は、クラス毎に分かれ、最後のホームルームが行われました。学び舎をなごり惜しみながら、仲間や担任と語り合い、写真を撮り合ったり、感謝の気持ちを込めて机の回りを整理する者など、時間の許す限り思い、止まりそして学び舎を後にしていきました。
 障害を持ったことで新たな人生を歩むことになり、その一つの手段として理療師という道を選択して、これまでの人生において様々な背景を持った人が集まり、一つの目標に向かってお互いに切磋琢磨してきました。その過程は決して楽しいことばかりでなく、いろいろな艱難辛苦があり、それに立ち向かい克服し、卒業というこの日を迎えました。ここで得た様々な経験を今後の人生に生かし、理療師として地域医療の担い手として頑張っていってほしいと思います。



(写真)卒業証書の授与   (写真)卒業生代表による別れのことば
卒業証書の授与   卒業生代表による別れのことば