〔魚拓シリーズ37〕
「スズメダイ」
元更生訓練所理療指導室長 川政 勲


 スズメダイはスズメダイ科の魚で、秋田県以南、東シナ海に分布し、水深2〜30mの岩礁域に群生する。
 タイと名が付いているが真ダイの仲間ではない。なんとかダイと名が付く魚は真ダイ以外に51科もあり、262種類もいる。
 スズメダイも、なんとかスズメダイは80種もいる。
 近似種に鑑賞魚で人気の高い「カクレクマノミ」がいる。
 スズメダイはスズメダイ類では最も低温に強くて8℃の水温にも耐え、日本海で越冬できる唯一の種類である。動物性プランクトンを主食としている。
 夏になると浅い岩礁域には鯵やイサキが集まり、時にはブリの幼魚ワカシなども釣れてくる。そんな釣り場に何とも嫌な魚がスズメダイである。食べられそうなものが近くに来ると、たちまち大群で集まって来て、何でも口にしてしまい、針にかかるとくるくると回ってしまうため折角の仕掛けがよじれてしまい使い物にならなくなるためだ。
 この作品のスズメダイは同じ魚を6種類の色で作り、その間にサクラダイ、メバル、イサキを入れている。
 6月末に中国で開催された、日本、中国、韓国の合同展覧会において、ダイヤモンド賞、プラチナ賞に次ぐゴールド賞(第3位)に輝いた作品である。
 ただ、この展覧会は作品を作者に返さず、販売して売上金を何かの団体に寄付するのだそうである。賞状とトロフィーは作者に届くが、作品は中国か韓国で売られて何処かに飾られているのだろう。



漁火に侵されてなを銀河濃し   いさお
絵 文中の作品