〔自立支援局情報〕
地域生活支援トレーニングホーム「ウイズ」について
秩父学園指導課地域移行推進室長 齋藤信哉


 秩父学園では、児童施設でありながら加齢児(18歳以上の年齢超過者)が85%という状況の中で、平成22年度より地域生活移行を推進しています。集団生活の経験が長い入所者が地域に移行することを前提に、少人数で家庭的な雰囲気の元に生活体験をする目的で、18歳以上の入所者全員を対象に1泊2日×3回の自立生活支援「コスモス」を行っています。その後、3ヶ月〜6ヶ月程度の期間で地域で生活していくために必要なスキルの獲得を目指して、地域生活支援トレーニングホーム「ウイズ」が今年度6月より3名の入所者でスタートしました。

 
  写真はトレーニングホーム「ウイズ」の看板
 

 月曜の朝に生活寮からやってきて、ウイークデーをウイズで過ごし、金曜の夕にまた生活寮に戻るというパターンで生活を行っています。
 生活サイクルも生活寮の時間帯と同じではなく、日課に追われることなく家庭的な雰囲気で過ごしています。また、日中は午前は従前の作業活動を行い、午後は地域で生活していくために必要なこと(信号が理解できるか、エレベーター・エスカレーターに乗ることができるか、公共の交通機関を適切に使用できるか)を行い、アセスメントを取った上で一人ひとりの利用者さんに必要なスキルの獲得を目指しています。
 また、近隣のゴミ出しの日に合わせて当番をつくってゴミを出しに行ったり、新聞をまとめて出したりという施設では経験しないことも体験していく中で、地域で暮らす時に必要なことを少しずつ覚えていただいています。
 土日は生活寮に戻って生活していますが、その間「早くウイズに行きたい!」と言う要求をしたり、ウイズはいつ行くのかと気にしていたと言う報告があり、少人数の生活が大きな集団の生活と比べて快適であると言うことを、改めて支援者側も実感しているところです。
 「ウイズ」では、地域生活移行の促進に向けて、さらに地域で暮らすときに必要なスキルや余暇の充実を進めて行きたいと思っています。



写真は居間の様子
 
写真はキッチンの様子
 
写真はゴミ出しの様子
居室
 
キッチン
 
ゴミ出しの様子