〔自立支援局情報〕
野外訓練を終えて(就労移行支援)
総合相談支援部総合支援課  阿部 真市


 9月27日(火)、埼玉県比企郡滑川町にある国営武蔵丘陵森林公園にて、就労移行支援利用者を対象に野外訓練を実施しました。この野外訓練は、「日頃の生活・訓練場面とは異なる自然環境における野外活動を通して、利用者の自主性と協調性を養い、心身の健康の増進やリフレッシュを図る」ことを目的としています。今回は、利用者36名、職員等21名の計57名が参加し、昼食のバーベキューやレクリエーションで、大変楽しい一日を過ごしました。
 森林公園は、明治百年を迎えた記念事業の一環として、自然を失いつつある都市の住民が緑を通じて人間性を回復する場を確保し、ながく後世に伝えることを目的に、首都近郊の武蔵丘陵に設置されました。昭和49年に全国初の国営公園として開園し、以降、地域の住民のみならず、関東近郊の方々の憩いの場となっています。四季折々の植物が楽しめるだけでなく、環境学習活動として雑木林やその資源を活かして自然のさまざまな姿にふれるための活動があったり、サイクリング、オリエンテーリング、ドッグランなど様々な活動ができる公園です。
 前の週に台風が上陸したり、前日にも天気が崩れたりしたため、利用者さんや職員など全員が、「野外訓練は実施できるのか、中止になってしまうのでは?」と心配をしていました。しかし、当日はみんなの祈りが届いたかのようなすばらしい秋晴れとなり、心地よい天候の中、予定通り野外訓練を実行することが出来ました。
 当日はバス二台に分乗して出発しました。国リハから森林公園までは高速道路を使って一時間弱だったので、あっという間に到着しました。森林公園は入り口が4つあり、私たちは、会場となる展望レストラン・展望広場が近い南口から入場しました。南口から展望レストランまでは約800m、緑に囲まれた道を20〜30分歩いて到着です。途中に坂が何ヶ所かあるため、車いすの方は職員の介助を受けながらの移動となり、立位の方も長い距離を一生懸命歩いてくださいました。それでも、秋風が漂う林道の移動は心地の良いものでした。
 バーベキューでは、ひとつのテーブルを職員と利用者の3〜5名で囲み、肉や野菜、ご飯をお腹いっぱいになるまで食べました。普段あまり話したことがない職員や他の利用者と同じテーブルになり、緊張している方もいましたが、みんなで肉を焼いたり、野菜を取り分けたりしているうちに、自然と緊張もほぐれ、和気あいあいとしたバーベキューとなりました。
 レクリエーションは、全員参加の○×クイズが実施されました。時間の許す限り国リハに関するクイズが出題され、参加者みんなで○と×の間の大移動が繰り返されました。最終的に正解数が多い方が優勝なのですが、なんと、一位の方が6名になったため、くじ引きにて優勝者を決めました。優勝者には、賞状と賞品が贈呈され、大変盛り上がったクイズ大会となりました。
 就労移行支援の野外訓練は、毎年一泊二日で行われてきましたが、昨年度の利用者アンケートをもとに、今年度から日帰りで行うことになりました。新しいことへの取り組みとなったので、実施する場所や内容などを一から考えることとなり、野外訓練が順調に行えるか当日まで不安な面はあったのですが、実行委員として企画・運営に携わってくれた利用者さんの頑張りもあり、事故もなく、予定どおり終えることが出来ました。この場をお借りして、実行委員のみなさん、参加された利用者さん、ご協力いただいた職員のみなさん、森林公園のスタッフの方々へお礼をさせていただければと思います。みなさんのご協力により、野外訓練を無事に実施することが出来ました。ありがとうございました。

写真 野外訓練の様子 その1   写真 野外訓練の様子 その2   写真 野外訓練の様子 その3
 
写真 野外訓練の様子 その4   写真 国営武蔵丘陵森林公園