〔特集:平成24年度運営方針A〕
障害者の健康増進・スポーツ支援普及事業
病院健康増進センター長 飛松 好子


 部門間連携事業として、健康増進センターは2つのことを行います。一つは障害者の健康増進に関わることで、他の一つは、スポーツ支援普及事業です。

1.障害者の健康増進
 障害者の健康増進については、研究所運動機能系障害研究部、自立支援局、病院と連携し事業を進めています。
病院においては健康増進・スポーツ外来を設置して、外来患者の健康増進を推進するためのスポーツ支援や、栄養指導などを行っています。外来は病院医師、研究所医師によって行われ、少しずつですが、障害者の健康に関わるデータの収集や、サービス提供を行ってきました。24年度においても引き続き推進していく予定です。
 また、自立支援局との連携によって、 健康診断を利用して肥満者やメタボリックシンドロームの利用者を見つけ出し、体育介入による健康増進を推進してきました。これらも引き続き行っていく予定です。
 自立支援局利用者に対する健康指導、普及事業として健康教室を行ってきましたが、 24年度は、23年度以上に回数を増やし、健康増進の普及、啓蒙活動を行っていきます。 健康教室は、施設支援のサービスの一環としてとらえられ、また健康増進のための介入(リハビリテーション体育など)もサービスの一環として行われていますので、 自立支援局の利用者サービスとしてさらに根付いていくことが期待されます。
 健康診断や、介入についてもデータベースを作成し、結果を蓄積することによって研究事業に反映できるようになっています。

2.スポーツ支援普及事業
 スポーツ支援については今年度から本格化します。 これまでも健康増進・スポーツ外来では、競技スポーツレベルの障害者アスリートの相談にものっており、 国際大会出場前の健康相談や、薬局のスポーツファーマシストによる ドーピングコントロールのアドバイスなども行ってきました。今後もさらに推進していく予定です。
 24年度からは予算も付いて(1)障害者スポーツ選手に対するメディカル・サポート整備 としてパラリンピック出場選手のメディカルチェック・システムの開発(スポーツ選手版人間ドック) と実施、そのための有識者検討委員会の開催などをおこなう予定です。実際には、 健診をおこない、実態を調査し、スポーツ選手への健康管理プログラムの開発、 コンディショニング・サポート・プログラムの開発、障害および種目特性に基づいたトレーニング・プログラムの調査を予定しています。
 普及活動として、学院と連携し、障害者ヘルスプロモーション事業に関する研修会を開催する予定です。 それによって障害者の健康づくりに関わる専門職等(医師・栄養士・保健師・スポーツ関係・施設職員など)の専門性向上に取り組みます。
 そのほかにも国立障害者リハビリテーションセンター内部の連携のみならず、 日本障害者スポーツ協会や日本パラリンピック委員会、その他の競技団体とも連携し、 以上の事業を推進します。また、引き続き、体育館での練習合宿を支援し、競技力向上に寄与していくこともおこないます。