〔特集〕
平成27年度運営方針
自立支援局(指定障害者支援施設)
自立支援局長 飯島 節

 自立支援局では、国立障害者リハビリテーションセンター第2期中期目標の達成と障害者支援施設として質の高いサービスを提供するため以下の運営方針を策定しました。

1.自立支援局内全施設の一体的な事業運営

利用者にとって分かりやすく利用しやすいことをモットーに、障害の特性に対応した利用相談から地域移行まで一貫した障害福祉サービスが提供できるよう検討を進めます。
センター病院から障害福祉サービス利用への円滑な移行を図ります。就労を促進するため、国立職業リハビリテーションセンターと連携した就労支援サービスを強化します。秩父学園では、センター病院との連携による療育の充実を図ります。
自立支援局内全施設の情報共有に向けて、共有内容の項目整理・分析を行います。
伊東重度障害者センターとの統合に向け、実態に即した利用定員に変更するための検討を行います。秩父学園では、生活形態の小規模化(ユニット化)を進める中で、新たな定員を検討します。

2.質の高い障害福祉サービスの提供

これまで実施してきたサービスの実績、効果等を検証します。
高齢視覚障害者に対する訪問訓練データの集積を行います。
高次脳機能障害者の自動車運転評価結果と神経心理学評価結果のデータを解析し関連性をまとめます。
自動車運転評価、習熟訓練の訓練期間と改善点のデータの集積と整理を行います。
頸髄損傷者支援データの蓄積を継続し、介護量等について分析を行います。
就労移行支援(養成施設)が提供するサービスについてデータの集積を継続するとともに、集積したデータの分析を行います。
相談案件の内容を分析し、円滑な支援につなげます。
秩父学園では、入所部門と通所部門における実践記録のデータ化を進めるとともに、全国の施設を調査・分析して、集約、発信していきます。
サービス提供データの集積と分析・検討を続け、センター内外の研修会や業績発表会を通じて広く情報の発信を行います。
自立支援局内各施設の自立訓練(機能訓練:視覚)におけるサービスの質の向上と均質化を図るため、標準的訓練期間等のモデル作成に向けた検討を行い中間報告を行います。
高次脳機能障害者訓練マニュアルに訪問訓練及びグループワークの内容を追加するとともにマニュアル全体の見直しを行います。
就労移行支援(養成施設)において、1年次から臨床を意識した教育を推進し、理療の実践、実技主体の補習等を実施することにより理療教育の充実を図ります。
発達障害者の就労支援事例を集積するとともに、支援プログラム実践ポイント集の作成に着手します。訪問による家庭等での支援を開始し、ニーズや課題を整理します。
秩父学園では、他の福祉型障害児入所施設では対応が難しい行動障害が著しい自閉症児、虐待を受けた発達障害児等を受け入れ、生活のあり方、学校教育との協働のあり方を模索、実践、提案します。
発達障害が確定する前の親子への支援方策のモデルとして地域子育て支援拠点型事業を推進します。子育て支援拠点やデイサービス事業所等の訪問支援を行うとともに、病院や子育て支援機関等との連携を図る仕組み作りに着手します。
所沢、函館、福岡の各センターにおいて、福祉サービス第三者評価を受審し結果を公表して、サービスの透明性と質の確保を図ります。
自己点検やヒヤリハット報告等の活用により事故の未然防止に努めます。
福祉職職員に対し社会福祉士や精神保健福祉士、サービス管理責任者等の資格取得を促し、独自の研修を実施するとともに、センター外の研修への積極的な参加を促します。
研究所と連携し、ニーズ&アイデアフォーラムをはじめとする各種プロジェクトに取り組み、支援機器開発や人材育成等に関与します。
利用者の安全安心な食事の提供と利用者個々の健康状態に配慮した食事の提供を行います。
障害者健康増進・運動医科学支援センターと連携し、健康教室を充実させ利用者自身の健康意識を高める取り組みを行います。

3.重度障害者に対するサービス提供の充実

伊東センター統合に向けた旧病院新館・画像診断棟の機能訓練棟への改修工事を、管理部会計課と連携しながら着実に進めます。
伊東センター統合後の頸髄損傷者等に対する、理学療法、作業療法、職能訓練、社会生活訓練のプログラムを効果的に提供するための支援体制の充実を図ります。

4.事業成果向上への取組み

企業に対して就労移行支援事業の見学説明会を設け、障害者の就労状況に関する情報を交換し、就業率及び職場定着率の維持・向上を図ります。
就労移行支援(養成施設)において1年次からの企業や施術所等の職場見学を引き続き実施し、就業率の維持・向上を図ります。
模擬試験結果等を利用者ごとに分析して学習到達度に応じた補習授業を実施し、あはき師国家試験の合格率の維持・向上を図ります。
伊東重度障害者センター統合に向け、機能訓練利用者に対する自動車運転訓練の重点化を図るため、自動車運転訓練の一般事業化に関する課題について整理・検討を行います。再理療教育、臨床研修コースの独自事業について、一般事業化に向け検討します。
秩父学園利用者に対して個別支援計画に沿って支援を行い、その評価を基に地域移行を進めます。ケースカンファレンス等を通し、特別支援学校や児童相談所等の関係機関との連携を一層強化し、次のステージへ向けた支援を一体となって進めます。
秩父学園利用者の地域生活への移行を進めるため、保護者との施設見学や入所予定施設におけるショートステイなどを実施します。特別支援学校高等部に在学する児童については、卒業後、速やかに家族が住む地域の障害者福祉サービスへ円滑に移行できるよう新たな取組を進めます。
秩父学園では、地域生活を支えるフォローアップシステムの構築に取り組み、関係自治体や障害者施設等と連携を図ります。
地域で生活する発達障害児とその家族に対して年齢層に応じた支援を行い、切れ目ない支援の有用性を蓄積し、発信します。
秩父学園では、年齢に応じた発達支援のための生活形態の小規模ユニット化の導入を目指した検討を行います。

5.地域貢献への取組み

地域の障害児・者をはじめその家族や地域住民、関係機関を対象とした講習会等の開催や事業の公開などにより施設機能の提供・開放を行います。
自立支援協議会や指定特定相談事業者が開催するサービス等担当者会議等への参加を通じて、地域関係機関との連携を強化します。
発達障害や高次脳機能障害等の支援に従事する専門職員等の実習・研修を積極的に受け入れ、地域のネットワーク作りに努めます。

6.財務内容の改善

施設利用等に関する指標を検討し、定期的に管理するなど、施設利用の向上に努めます。